暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第九十五話
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込められて続いていく。

「一緒に店を切り盛りして時間ならいくらでもある! リズも『肉食系女子☆』とか言っちゃうようなイケイケな奴! なんでこれで関係が進まねぇんだ!」

 微妙に似てなくもないようなリズの物真似――タイトル:肉食系女子☆を間に披露しつつ。リズ本人はそういうことを言うような、言わないような。クラインの演説を右から左に受け流しながら、ショウキはボーッとそんなことを考えて。

「それともリズの方が実は『恥ずかしくて……』とか言っちゃうのか? そんな……そんな……ん? なんだソレ可愛いじゃねぇか」

「ありがとう。最高の褒め言葉だ」

 結論が出た。そもそも何でこんな話をしているのだったか、とショウキは思い返していると、そう言えば鍛冶業を見せるという話だった、と思い返す。インゴットを放り込む鋼鉄のふいごに火を灯し、どんな鉄をも溶かす温度となっていく。

「あー分かった。全部ショウキがヘタレてんのが悪ぃ」

「はいはい。で、見たいのか見たくないのか」

「……あ! 見たいです見たいです!」

 クラインの演説の衝撃で呆気にとられていたのか、タルケンが忘れていたかのように、急に丸メガネがズレるほどに主張を始めだした。

「じゃあ何を造るか……」

「ああ、じゃあ大盾とかでも大丈夫かな。使ってるのがもう古くて。タルが作ったの」

「それじゃ僕が悪いみたいじゃないか!」

 そんな製作者の講義を、お金は払うからさ――と華麗にスルーしながら、スリーピング・ナイツ唯一のタンク型ビルド、テッチから依頼がくる。自分たちの中でも数が少ないタンク型と、生傷が絶えない職場であるのだろう。大盾向きのインゴットを倉庫から選びながら、よし、とショウキは気合いを入れる。

「じゃあ大盾造りだ」

 用意したインゴットを灼熱のふいごの中に投入し、しばしの時間が経った後にマジックハンドのような道具をした、ヤットコという鍛冶の道具でインゴットを取り出した。用意してあった水が入った瓶に、熱されたインゴットを投入して急速に温度を下げていく。通常の金属ならば、この異常かつ急速な温度変化に耐えられず自壊するが、その程度で破壊されるインゴットに大盾は務まらない。

 インゴットが冷えたタイミングで瓶から取り出し、机に置いてあった鉄製の金属の上にインゴットを置き、さらにその奥にもう一つの鉄板を置く。冷やされたインゴットは軟体の性質を持っており、二枚の金属板の接着剤のような効果を発揮する。こうすることで、三つの金属分の装甲を持った大盾を作り出すことが出来る……もちろん、重量もそれ相応なので俺には持つことさえ出来ないだろうが、これを使うことになるテッチならば問題はない。

「ふぅ……」

 ここまで準備してようやく鍛冶
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