Vivid編
外伝〜if/ライのたどり着いた世界がCEであったなら(後編)〜
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先のオーブでの戦いにおいて、以前量産機のコンペで制作が見送られたザフト由来の新型のモビルスーツを確認したがあれも議長が用意したものか?」
ライがオーブでの戦闘中に直接見たわけではないが、報告にはザフトにデータだけが存在する機体――――ドムトルーパーが戦闘に参加していた事を彼は知っていた。
そしてザフトの新型モビルスーツを作るだけの情報漏洩と生産場が存在することを他ならぬ彼ら自身が証明してしまっていた。
「でも、しかし……」
「第一、それは貴様達が勝手に予測していることだけだろう。現に今、プラントが世界をかき乱すような事を行ったか?」
「それをこれから起こす可能性があるとすれば、そうも言ってはおられないのではないですか?」
甘ったるく、しかし凛とした声が響いた。
アスランから少し視線をずらし、今喋った彼女――――ラクス・クラインをライは視線に捉えた。
「デスティニープラン。その計画を議長は実行に移そうとしています」
「……」
その名称を聞き、ライの目が細まる。それを目ざとく観察していたのか、ラクスは我が意を得たといった表情で続けて言葉を吐き出し始めた。
「彼は確かに世界を正そうとしているのかもしれません。しかしその方法に問題があると私たちは考えています」
ラクス・クラインがライの方に歩んでくる。その姿は堂々としたものであり、犯し難い神聖さを見るものに印象づけさせていく。
「議長の目指す社会は先ほどアスランが仰ったように、人を個人で見るのではなく記号として見てしまうようなものです。遺伝子という本人には決められないものを指針として全てを決定していく。そんな世界に未来があると貴方は思えるのですか?」
ライは少しだけ驚いていた。
恐らく議長にとってのトップシークレットであるプランのある程度の詳細を彼女は知っている。それだけ彼女の後ろ盾となっている組織の諜報部は優秀なのかとライは感心したのだ。
そのライの反応をどう受け取ったのか、ラクスは右手を差し出すようにこちらに持ち上げる。その姿はどこか握手を求めるようであった。
「……ひとつ確認するが」
「はい?」
どこか確信めいた表情をする彼女の表情が――――
「議長が既にそのプランを凍結、破棄したのは知っているのか?」
――――――歪んだ。
その彼女の反応にライもある確信を抱いた。
「そんな、ハズは……」
「先程から貴様の言葉は他者を否定するものしかない。それではわからない。貴様が目指すものはなんだ?」
「私は、平和な世界を築こうとしています」
それはラクスなりの覚悟を乗せた言葉であったのかもしれない。だが、それでは軽すぎて、ライの心には届かない。
「現政権を否
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