Vivid編
外伝〜if/ライのたどり着いた世界がCEであったなら(後編)〜
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、プラント側はその時に放送していた偽のラクスの放送を打ち切ったことにより、世間の風潮では偽のラクスをプラント側が用意したことは真実であるという風に取られた。
その放送をリアルタイムで、自室で見ていたシンとライの二人もこれには驚いていたが、二人共どこかやっぱりといったような、腑に落ちた表情を浮かべていた。
それはともかくとして、ライの受けた特務は今現在、月のコペルニクスで隠匿生活を送っているプラントのラクスを保護するという内容であった。
この任務には、長距離用の小型シャトルを一隻と歩兵用の装備一式を携帯する許可が下り、試しに上申したところ、シンとデスティニーの同行も議長直々のGOサインをもらった。もちろん、中立都市であるコペルニクス内で物々しい格好をするわけにもいかないため、ライは私服に必要最低限の装備を行い、シンにはデスティニーに乗り込んでもらい、月面に着陸させたシャトルの方に待機してもらっていた。
「……ここか」
訪れたのは、ギリシャを彷彿とさせる遺跡のレプリカが建てられている公園。時間帯的なものか、それともこの公園自体に人気がないのか定かではなかったが、公園の入口にいるライにはその中に人がいないことを少しだけ不思議に思った。
「……なんでこんな演出めいた場所を……議長の趣味?」
微妙に失礼な事を口走りながら、ライは公園内を進む。すると、遠目に石畳の広場のような場所が見え始めた。
「――――!――!!」
「――――」
「…………なんだ?」
その広場に近づくとともに、ライの耳に誰かの口論するような声が届く。流石に距離が離れているため、その内容までは聞き取れなかったが、その声が切羽詰ったような叫びであった事を察したライは、身を潜めるようにしてその広場に近づく。
公園内の岩のオブジェクトが多く、身を隠すには十分な場所に来るとそこから広場の方に視線を向けた。
「……あれは……アスラン?」
そこには以前まで自身と同じ艦に載っていた人物がいた。いや、彼だけでない。件のプラントのラクス。そして彼女と同じ容姿をした女性と茶色の髪と紫の瞳の色をした少年がその広場にはいた。
「どういうことだ?」
流石に状況が飲み込めないライは、大人しく彼らの様子を伺い続ける。
すると、すぐさま状況の変化は訪れた。プラントのラクスのマネージャー兼護衛を勤めていたサラと名乗る女性が現れたのだ。
「……つまり、今の彼女は疑心暗鬼に囚われている、と?」
「ええ、こちらもできるだけ丁寧な対応をしてきたのですが、それが帰って彼女を怯えさせてしまったみたいで」
無理もないとライは内心でごちる。
政治的に利用する為に担ぎ出されたとはいえ、アイドルであった彼女は他人から向けられる感情に
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