15.私たちのホーム
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青葉が敵戦艦の攻撃を受けて大破判定の傷を受けた頃、私は自分たちの力を過信し、敵戦力を甘く見ていたことを少し後悔していた。
この少し前、敵の水上部隊を私たちは難なく全滅させることに成功していた。敵艦隊は駆逐艦5隻と軽巡洋艦1隻。そんな貧弱な艦隊に私達が遅れを取るはずもなく、戦闘が終わった時のこちらの損傷は、鈴谷が小破判定、比叡と霧島がかすり傷、私と榛名と青葉は無傷だった。
「テートク! 今敵艦隊を全滅させたヨ!!」
『お疲れさま。被害状況を知らせてくれ』
戦闘が終わった段階で、私はいつものように提督に通信を送った。戦闘に区切りがついたところで、一度提督と通信を行い、進軍か撤退かの判断を仰ぐことは私たち鎮守府の決まりとなっている。
「鈴谷が小破判定、比叡と霧島がかすり傷、他は無傷ネー」
『んーなら問題はなさそうだな。鈴谷、どうだ?』
「鈴谷は大丈夫! まだまだ行くよー!!」
『比叡と霧島は?』
「共に問題ありません!」
「私はどこまでも、お姉様と一緒です!!」
『それは頼もしい…他のみんなも問題はないな?』
私は榛名と青葉に目線を送った。二人共、力強い目で私を見つめ返し、頷いた。
「大丈夫ネ! ワタシたちはまだまだ進軍出来るヨー!!」
『了解した。進軍を許可する。何度も言うが、ヤバいと思ったら即時撤退するように』
「了解ネー!! じゃあダーリン、またあとでネ!!」
『だからダーリンはやめろッ!!』
ひとしきり彼をからかった後、浮かれていた私は『ちゅっちゅーっ』とエアキスをしながら通信を切った。
それが数十分ほど前。そして今現在、私たちは進軍した先に潜んでいた敵主力艦隊と交戦している。先ほどのあまりに弱すぎる艦隊は、私達をおびき出し、慢心させるための囮だったのか…そう思えるほど、敵主力艦隊の戦力は強大すぎた。
まず、私たちの索敵範囲外からの敵空母の爆撃で、榛名と比叡が中破レベルのダメージを負った。その際鈴谷が緊急発艦させた瑞雲は、敵の直掩機にすべて叩き落とされた。
続けて、敵戦艦2隻からの強烈な砲撃を浴び、榛名と鈴谷が中破レベルのダメージを負った。こちらの位置を正確につかんだ砲撃だった。おそらく私たちの頭上にいる観測機を利用した弾着観測射撃を行ったのだろう。
その後も、敵艦隊からの砲撃は雨あられのように降り注いだ。私の艤装も何度か被弾した。
「ちょ…まっ…これじゃ反撃出来ないしーッ……!!!」
鈴谷の悲鳴が聞こえたのと、青葉が被弾したのはほぼ同時だった。敵の徹甲弾をもろに食らったらしく、一撃で大破レベルのダメージを負っていた。
「金剛さんすみません! 青葉はもう雷撃不可です!!」
「鈴谷ももう撃てないー!!」
しまった。これは完全に
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