第2章:異分子の排除
第14話「代表決定戦まで・中」
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いる内に昼休みの時間も残り少ない。さっさと昼食を食べてしまおう。
=ユーリside=
「一人では...いつか潰れる。」
放課後。桜さんが昼休みに言っていた事を反芻する。
「...私も、秋十さんも、一人で頑張ろうとして、挫けかけた。...天災である束さんも、一人では宇宙進出を成し遂げられない...。」
そう。結局人間は一人では全てこなせる訳ではない。
それどころか、一歩間違えれば二度と復帰できないような、とんでもない心の傷を負うかもしれない。....私や秋十さんが、そうなりかけたように。
「どんなに優秀でも、一人だとできない事があるんですよね...。」
生徒会長である楯無さんだって、一人でなんでもできるわけではない。
...だから、簪さんも無理して一人で頑張らないようにしないと...。
「(そのためにも...。)」
専用機の作成を、手伝いたい。その一心で、私は整備室の扉を開けました。
「....あなたは....。」
「...簪さんの、お手伝いに来ました。」
整備室に入り、少し奥の方に行くと、簪さんはいました。
「...必要ない。これは、私だけで....。」
「ずっとそうだと、いつか潰れますよ?」
「っ....。」
動かしていた手が止まる。
「いつまでも一人で頑張って、無理していたら、いつか取り返しのつかない心の傷を負いますよ?」
「....それでも、一人で完成させなきゃ...!」
「...生徒会長は、一人で専用機を完成させた訳じゃありません。」
私の言葉に、目を見開く簪さん。
「調べた限り、細かい所は他の人達も手伝っていました。だから、無理に一人で完成させる必要はありませんよ。」
「....あなたに...あなたに、何が分かるの!?」
諭すように言っていたのがまずかったのか、簪さんは大きな声で私にそう言ってきました。
「ずっとお姉ちゃんに劣って、そのせいでいくら私が頑張ってもお姉ちゃんの妹としか見られなくて!誰も“更識簪”という一個人として見てくれない...だから!私はお姉ちゃんを超えようと一人ででも専用機を完成させようとしてるのに....!」
「......。」
「恵まれた立場にいるあなたに、私の気持ちなんて...!」
“分かる訳ない”そう言おうとした簪さんを、優しく抱擁します。
「っ.....!?」
「...分かりますよ。...私も、優秀な姉がいたのが原因で、家に捨てられた程ですから...。」
「えっ....!?」
私の言葉に、驚く簪さん。
「...エーベルヴァイン
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