Chapter 4. 『堕ちてゆくのはぼくらか空か』
Episode 25. Unavoidable Subjugation
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高いと思われる。
事態を重く見た私たちはアスナの提案でグランザムに再集合。聖竜連合を始め、いくつかの大規模ギルドの幹部を集めて事件の概要を説明し、その凶悪性と抜本的解決策の必要性を主張した。
彼らの刃は、もう私たちにすら届きうるのだということに話を聞いた各ギルドの代表や幹部も危機感をあらわにした。今までどこか他人事のように、攻略組である自分たちは襲われることも滅多にないから関係ないという思いを抱えていた者たちも、もう知らぬ存ぜぬで通らないことを自覚したようだった。
そして、全会一致で、ついにある一つの作戦が始動することとなった。
それが、「『笑う棺桶』討伐作戦」である。
――ここから先は主にアスナから聞いた情報なのだが――ちょうど今から一週間前、殺人の罪悪感に駆られた一人のプレイヤーからのタレコミで連中のアジトが判明していた。すぐにでも襲撃し拘引せねばという強硬派と、話し合いで平和的解決策を求めようという穏健派が今日までずっと喧々諤々の論争を繰り広げてきたらしい。
しかし、今回の一件を受けて一気に強硬派が優勢となった。途方もない数の死者を出しかねないトレインを圏外村に仕掛ける連中に話し合いなど通じるはずがない、そんな奴らに交渉など持ちかける道理など存在しない、そんな意見が大多数を占めていたそうだ。
その結果、ついに強硬派の意見がギルド間参謀会議で承認され、聖竜連合からはディフェンダー隊リーダーのシュミット、血盟騎士団からは副団長のアスナが代表として選出され、さらに風林火山を始めとする攻略組ギルド五つ(私と一護はなぜかこのカテゴリで依頼が飛んできた)、それからキリトを含む何人かのソロプレイヤーを集め、総勢五十名にも及ぶ討伐部隊が結成された。
指揮系統担当を中心に会議が重ねられ、綿密な打ち合わせが行われた。相手はモンスターではなく人間。それも狡猾な殺人鬼たちを相手取る以上、作戦立案はボス戦以上に慎重に行われた。
特に、この一文を決める時だけは大いに揉めたそうだ。
「叶うのならば、一人の死者も出ないのが望ましい。しかし、もし如何なる手段を講じても抵抗を止めないようであれば――『HP全損』も已む無し」
◆
「――で。結局いつやんだよ、その作戦」
「明日、午前三時、持ち場ごとに、集合。そこから分隊ごとに、行動開始――っと」
「んじゃ、夜中にカチ込みかけんのか。お前、戦闘中起きてられんのかよ? 酔拳みてえになってても、俺は庇わねえからな」
「大丈夫。明日は、一日中、寝溜め、するからっ、とと」
飛んできた斬撃に気を取られ、足場を崩しそうになった。バックステップで誤魔化しつつ追撃を躱し、体勢を立て直す。随分と慣れてきたけど、や
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