暁 〜小説投稿サイト〜
Deathberry and Deathgame
Chapter 4. 『堕ちてゆくのはぼくらか空か』
Episode 25. Unavoidable Subjugation
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
二人がオレンジプレイヤ……ん?」
「どうしたの?」
「……モンスターを引き連れてたプレイヤー二人の反応が、消えた」
「つまり、消滅したってこと?」
「そこまでは分からない。死んだのか、それとも『隠蔽』スキルあるいはアイテムで隠れたのかまで、私の『索敵』スキルじゃ判別できない」

 もしも後者で、しかも私たちがモンスターを倒しきった後を狙われると厄介だ。しかも、北や東へも同様に第二陣が向かっていると考えると、一護たちの援軍は期待できそうにない。万が一の不意打ちにも気を付けつつ、アスナの部下たちが戻ってくるまで、私たちだけで戦線を維持しないと。

 対人戦から対獣戦へと思考を切り換え、視界へと入ってきたモンスター群目掛けて、私はアスナと共に再度突撃を仕掛けていった。



 ◆



 結局、警戒していたような『隠蔽』からの襲撃はなく、タサの街を襲った多重トレイン攻撃は私と一護が敵を確認してから四十分ほどで鎮静化された。途中参加で登場したキリトが私たちのいた南大門を支援してくれたのは、正直けっこう助かった。
 ソロ最強と言われるだけあって流石に強く、彼を入れて三人で、二人前衛で一人後衛で次々とスイッチして迅速に敵を屠ることができ、非常にスムーズに戦闘を進められた。戦闘終了後のアスナの頬が、明らかにアドレナリン以外の理由で赤らんでいたことだけチョットアレだったけど。せっかく身体を動かしてすっきりしたのに、なんかまたもやもやが復活してしまった。おかげで一護と合流したときに、少し会話がぎこちなくなった。全く、どうしてくれるの。

 ……まあ、何はともあれ、主だった面子はとりあえず全員無事。風林火山や血盟騎士団内にも負傷者はいたけど死者は一人も出なかった。襲われたのが最前線の圏外村ということもあり、街中に居たのは全員攻略組、それも上位クラスのプレイヤーばかりだった。
 そのため今回の事件での死者はゼロであり、被った損害としては各個人の回復結晶代くらいのものだろうと思われる。大規模ではあったが、無事に終息した事件であったと言っていいだろう。

 しかし、悠長にしてはいられない。
 今回の事件は最前線で起こった。そのため、被害区域にはNPCを除く全員が(・・・)高いレベルの戦闘能力を持っており、その結果として人命被害が出なかったのだ。これが中層以下だとそうはいかなくなってくる。
 既攻略層において、フィールドに出てくるプレイヤーの多くはボリュームゾーンのレベル帯に位置する。迷宮踏破一本の攻略組とは異なり、彼らは戦闘以外を目的としてフィールドに出ることもある。もしもそういった観光や遊園目的でうろうろしている者がいる、あるいはそういったスポットが多い地区で同様の事件が起きた場合、被害は想像を絶するだろう。死者が出る確率も、相当に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ