Chapter 4. 『堕ちてゆくのはぼくらか空か』
Episode 24. Deadly Dash
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ソードスキルを叩き込んでHPを削っていく。
ソードスキル無効化エリアに引っ掛かってから身につけた、体捌きと単発強攻撃主体の立ち回り。何度も攻撃が際どいところを掠めていくのを感じながら、私はひたすらに敵陣の中を駆け巡った。
とはいえ、流石に一対多は分が悪い。
敵のレベルはせいぜい六十ちょっと。私のレベルは八十四。レベル差的には安全マージン内ではあるけど、相手の数が多すぎる。少しずつ後退を強いられている現状に唇を噛んでいると、
「リーナ! 無事!?」
凛とした声と共に閃光が閃き、モンスターの一体が消し飛んだ。
現れたのは、白地に紅色の装飾の入った、女物の騎士服。亜麻色のロングヘアーが宙になびき、手には純白に輝く美しいレイビア。
血盟騎士団副団長『閃光』アスナが、多くの騎士を従えて立っていた。
「アスナ! どうして、ここに?」
「この街にいた知り合いからメッセージもらって飛んで来たの! すごいことになってるね」
「ん。他の門は一護とクラインたちが抑えてる。あと、街中にも何体か」
「なら、ここは私たちで何とかしよう! 貴方たちは街中に散って、入ってきたモンスターを狩って! ただし、負傷したプレイヤーの保護を最優先に!!」
「「はっ!!」」
敬礼した騎士たちが散っていくのを横目に見つつ、私とアスナは敵と向かい合った。数は少なくなったけど、それでもまだ十体以上いる。レベル差があっても、危機なのは変わらない。油断は禁物だ。
けど、二人になったことで、戦闘は一気に安定した。同じ敏捷重視プレイヤーである以上、どちらかにヘイトを集め過ぎるわけにはいかない。しかし背後をカバーしてくれる存在がいるだけで、戦局がかなり安定した。
そのおかげか、敵のラッシュの勢いがさっきまでに比べて弱まったように感じる。畳み掛けるなら、今しかない。
「アスナ、一気に前線を押し上げる。右半分、カバーお願い」
「了解っ!!」
ここぞとばかりに私たちは突貫。攻撃のギアを上げ、真っ正面からモンスター群を門の外へと押し返す。短剣も細剣も、威力は低いが手数が多い。相手の爪や鈍器が振るわれる前に斬撃を何発も叩き込み、攻撃の隙を与えずに圧倒する。
焼ききれそうな脳に鞭を打ち、剣を振る手の速度を緩めずに踏ん張る。勢いのままに残りの敵を門の外まで押し出して、ついに最後の一体まで悉く殲滅しきった。
ポリゴン片となって消え去ったのを確認して、私たちはようやく構えを解いた。息を整えながらポーションを飲み干し、半減したHPを補填する。
「はぁ、ふぅ……なんとか、制圧できたわね」
「ん……ちょっと、疲れた」
「それでもすぐに整息できるってとこは、流石だね。途中参加の私の方が消耗しちゃってるよ」
「私はこう
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