Chapter 4. 『堕ちてゆくのはぼくらか空か』
Episode 24. Deadly Dash
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
<Lina>
一護が『エルドアギラ』を討伐してからの二日間で、『第二陸上回廊』『第二空中回廊』『第三陸上回廊』が立て続けに踏破された。
情報ペーパーによると、血盟騎士団を主体とした攻略パーティーによってフィールドボスが初回の戦闘で討伐され、攻略組の足が止まることが無かったのがスピーディーな踏破の要因とのこと。加えて、集中力を要する空中戦闘部隊をこまめにスイッチしたことも、消耗を減らし、長時間のダンジョン攻略の助けになったそうだ。
また、隅っこのほうには、死神代行による技術協力がどうのこうのと書かれており、その事を知った一護が「あのクソ鼠! また無許可で余計なこと書きやがって!」とキレてアルゴの寝ぐらに凸ったという一幕もあったが、その辺はどうでもいい話だ。彼に引きずり出された際に着ていたアルゴのネグリジェが、予想以上にせくしーだったことだけ付け加えておく。
迷宮区へと続くダンジョンの完全踏破が目前なのはいいことだけど、そう呑気に喜んでばかりはいられない。
この層が開放されて、今日で八日目。平均十日で一層を攻略してきた最近のペースよりも明らかに遅い。不慣れなギミックに悪戦苦闘している分があったとはいえ、少し時間が掛かり過ぎた。残る回廊はあと一つだけ。ここを二日以内に踏破して、迷宮区攻略の方は遅れた分手早く行きたいところである。
また、『第三陸上回廊』が踏破されたことにより、続く『第三空中回廊』との間を繋ぐ圏外村『タサ』が開放された。
『カップ』の意味を持つフランス語を冠するこの街は、その名の通り、巨大なカップのような形状となっている。街の周囲をビル並みの岩壁で囲われた歪な円形の街が、回廊の間を繋ぐようにして存在している。
サイズは圏外村にしてはそこそこ大きめで、出入り口はエアリア楼閣最後の浮遊ダンジョン『第三空中回廊』へと続く北大門の他に、サイドダンジョンへと続く東大門、『第三陸上回廊』へ戻る南大門の三か所のみ。宿泊設備や各種NPCショップは一通り揃っており、最前線に一番近い補給地点としてそれなりの賑わいを見せている。
その露店街の北にある広場で、私と一護はランチを摂っていた。
「リーナ、そっちのソース取ってくれ」
「ん。ところで、その得体の知れない緑のパイの中身、なんだった?」
「知らね。イモと鶏肉を足して二で割ったような感じだ。不味くはねえ」
全ての露店を周って買ってきたジャンクフードの山を囲み、家から持ってきたハーブティーを片手にアレコレ気ままに摘んでいく。
この世界には、奇味珍味としか表現できない謎食物が数多く出てくる。デザインしたのが開発陣なのかカーディナルなのかは不明だけど、たまに「地雷」とも言えるゲテモノが混じってる点から、少なくとも人間による試食は行われていないと
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ