第6章 流されて異界
第133話 アンドバリの指輪
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かには感じて居たでしょう。しかし、今回ほどあからさまにハルケギニアに残して来たのが女性だと臭わせた事はありません。
「俺の事を大切に想ってくれている相手から預かった物だから、有希に預かって貰いたいんや」
今度の……今夜戦う相手は不確定の要因が多すぎて、どう言う展開で話が進むのか予想がし難いから。
事実をありのままに口にする俺。
昨夜はその部分を甘く見て居て、最後の最後に伏兵に足を掬われるような結果となって仕舞った。
実際、単独犯と決めつける根拠など何処にもなかったのに、目の前に現われた犬神使いの青年だけが敵だと思い込み、共犯者の存在を始めから頭の片隅にも置いて居なかったのは、無能の誹りを受けたとしても仕方のない事実だったと思う。
ハルヒが攫われた件でも然り。結界の過信。実際、侵入を阻止する結界を複数配置したのと、最後の結界……部屋の存在自体をあやふやにして仕舞う結界を同時に無効化されるとは考えて居なかったのですが……。
ここも、涼宮ハルヒと言うかなり特殊な立場の人間が居る事を敵が初めから知って居れば、部屋の存在自体をあやふやにしようが、押し入れの隅に隠そうが、ホテル中をくまなく探し回られて、結果、存在を確認出来ない部屋を発見されたと思う。
建物の構造自体を弄った訳ではない。存在自体をあやふやにする、……と言うのは部屋の扉があるのに、其処に窓があるのに、何故かそれがあると認識出来なくしているだけ。
例えば人海戦術。相当数の犬神を使役して居た上に、ヤツ自身が犬神を倒された際に発生する返りの風を受けても平然として居られる程の、ほぼ不死身と表現しても問題ないような回復能力を示していたので、こう言う採算を度外視した戦術も使用可能でした。
このような方法。当然、俺やその他の敵対者の足止めを同時に行いながらの捜索活動となるので、その場合の被害は甚大な物に成る可能性は異常に高く成るのですが……。それでもハルヒを生け贄に使って行う召喚作業がもたらせる効果から考えると、犬神の千や二千の被害など問題にならないぐらいの効果を発揮する可能性が高いので……。
実際、一九九九年七月七日の夜に彼女は、自らを贄とする召喚作業を意識する事なく行った挙句に、アンゴルモアの大王ならぬ、名づけざられし者と言う、この世界に取って最悪と言うべき神を召喚して見せましたから。
――術者としては完全に素人の彼女がね。
それに、そもそも、這い寄る混沌が関わっている可能性を最初に考えたのに、ハルヒがこの破壊神召喚事件に無関係だと、何故思い込む事が出来たのか。ヤツらの目的から考えると、ハルヒの中に眠って居る黒き豊穣の女神シュブ=ニグラスの種子を目覚めさせるのは、世界を混乱させるのに持ってこいの方法ではないのか。
実際、今年
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