第1章:平穏にさよなら
第25話「再会」
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...怪しまれはしたけど。
「草祖草野姫よ。草の神であり、今は式姫と言うのをやってるわ。...尤も、分霊だから本人とは言い難いわ。気軽にかやのひめと呼んでちょうだい。」
「あたしは薔薇姫。吸血鬼だよ。」
「日光も流水も平気だけどね。」
つくづくこいつは本当に吸血鬼なのかと疑うわ。...かつての仲間の吸血姫も同じような事を言ってたし。
「...神様に吸血鬼か...。そりゃあ、見た目が変わらない訳だ。」
「今は力を失ってるけどね。」
優輝と契約したおかげでだいぶ回復したけど。
薔薇姫もデバイスになってから力が戻ってきてるようだ。
「....っと、よし。簡単にだけど、完成したよ。」
「あら、ありがとう。」
士郎が料理を運んでくる。...あ、この料理は見た事あるわ。
「確か、オムライス...だったかしら?」
「あれ?知らないのか?」
「私、あまり西洋の食べ物は知らないのよ。」
「あたしは大体分かるけどねー。舶来だし。」
辛うじてオムライスはアースラで優輝に教えてもらって食べたけど...。
「まぁ、これから慣れて行くわよ。ここで暮らすのだし。」
「かやちゃん、あの子の事を気に入ったみたいだしねー。」
「べ、別にそう言う訳じゃ...!」
ああもう!またこいつはそんな事を言う!
「へぇ...。まぁ、優輝君は優しいからね。」
「だ、だからそうじゃ....!」
「でも、彼、結構モテると思うよ?今こそあまりだけど、既に妹の緋雪ちゃんは...。」
「違うって言ってるでしょう!?」
顔が真っ赤になるのを自覚しつつ、思いっきりそう叫ぶ。
...ええそうよ!優輝の事は好きよ!だからって素直になれる訳ないじゃない!
「ははは...からかいすぎたね。」
「もう....!」
とにかく、オムライスを食べよう。調子が狂っちゃうわ。
「.....!美味しい...!」
「ん〜!こんなに美味しいの、久しぶりだよ。」
アースラにあったオムライスも普通に美味しかったけど、こっちは格が違うわね。
「うん、口に合ってよかったよ。」
士郎もなぜか嬉しそうにする。...作った人からすると、美味しく食べてもらうのは嬉しいのかしらね?...私も作れるようになろうかしら?
....た、他意はないわよ?
「....ごちそうさま。」
気が付けば、食べ終わっていた。薔薇姫もご満悦みたい。
「よし、じゃあ僕は食器を洗ったら店に戻るよ。」
「あれ?もうなの?」
「まあね。空き時間で来たとはいえ、そこまで長い時間じゃないし。」
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