アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの死闘を 05
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の攻撃が見えた。
左右の剣が描く軌跡が鮮やかなイエローの菱形を描き、グリームアイズの背を刻む。 堪らず絶叫するグリームアイズの足元で僕もソードスキルを発動させた。
跳び上がる勢いを上乗せして繰り出すのは、7連撃にもなる高速の突き。
最後の一撃をわざと大剣に当て、その衝撃で距離をとった僕は、硬直が終わるや否やまたも斬りかかる。
今しがた使ったソードスキル、『ポラリス・スティング』の硬直時間は、双剣のソードスキルの中では平均的だけど、それでも他の武器によるソードスキルの硬直時間に比べればかなり短い部類だろう。
威力よりも速さを優先した双剣のソードスキルの殆どは、硬直時間が短く設定されている。 加えて連撃が主軸のスキルであり、僕ようなスピード特化型のプレイヤーにはうってつけだ。
ガリガリと削れていくグリームアイズのHP。
予想通りHPが減っていくとバトルヒーリングによる回復力が飛躍的に上がっていく。 けれど、僕とキリトの両手から絶え間なく溢れる剣戟は、バトルヒーリングの効果すら意に介さずひたすらHPを喰らい続ける。
HPバーが残り1本になった瞬間、僕とキリトは同時に叫んでいた。
「キリト!」「フォラス!」
「「止めだ??」」
そして発動するのは、当然のことながらソードスキル。
まずはキリト。
綺麗なライトブルーの光を帯びた二振りの剣が瞬く。 もちろん初見のそれは、恐ろしい攻撃力とスピードで、徹底的にグリームアイズの身を刻んだ。
16連撃にもなるソードスキルは残ったHPの7割をも喰らい、そして止まる。 ここまでの連続技だ。 技後硬直は相当なものになるだろう。
このまま放っておけば手痛い反撃にキリトは曝されることになるけど、僕がそんなことを許すはずがない。
「あはっ」
僕の笑い声と同機して、エスペーラスとマレスペーロが純白の光芒を弾けさせる。
使用するソードスキルは、双剣スキル上位剣技、『サウザンドエッジ』。 上下左右から殺到する24本の剣戟は、ゾッとするほどの速度で回復していくHPを削り、最後の一撃で完全に喰らい尽くした。
爆散するグリームアイズ。
そのポリゴン片を見に浴びながら、僕は囁くように言った。
「さようなら、青き瞳の悪魔。 あなたは確かに強かった。 僕だけでは勝てなかっただろう。 だけど、僕たちの勝ちだ」
おやすみ
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