十話:休暇
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普通の人間であれば特に気にすることもなく自分がやりたい方を選ぶだろう。
しかし、極度に必要とされることに喜びを感じるなのはは迷う。
「お願い、なのはちゃん。はやてちゃんの為なの。本当に忙しいときはいいから、私達とはやてちゃんを助けてくれない?」
頭を下げて頼み込むシャマル。それに慌てるなのは。
この時点で勝敗は決まったようなものだった。高町なのはは助けを頼まれれば断れない。
自分が必要とされているというのが嬉しいのもあるが生来の正義感からでもある。
もしも、自分の為に休めて言われていれば頷かなかっただろう。
だが、誰かの為になるという誘惑がなのはの心を傾かせた。
「……分かりました。できるだけ頑張ってみます。はやてちゃんにも何でも手伝うって言いましたし」
「うん、私もこんな小さなことで良いのなら力になります」
「ありがとうね。なのはちゃん、フェイトちゃん」
これも自分の力が必要とされている人助けだと、自分の中で結論を出し頷くなのは。
フェイトも断る理由などないのでにこやかな笑みを見せる。
そんな二人にホッと息を吐くシャマル。実はここまでの流れはシャマルの作戦通りである。
彼女は泉の騎士。仲間のサポートこそが本領。
そして、サポートとは何も戦闘時だけではないのだ。
かねてから、はやての無茶をどうにかして止めようと模索していたシャマル。
そんな時に聞いた、同じように無茶を繰り返しているなのはの話。
最初はどうして最近子どもは戦争でもないのにオーバーワークをしたがるのかと頭を抱えたくなったが、いっそのこと彼女も巻き込んで休ませようと決意するに至った。
そんな折に今回の出来事が起こり、実行に移したのだ。
「それじゃあ、はやてちゃんが起きたらお説教しましょうか」
『はい!』
シャマルは元気よく、少しイジワルそうな笑みを浮かべている少女二人に微笑みを浮かべる。
これで彼女達の保護者達にも良い知らせを伝えることができそうだと。
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