十話:休暇
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「はやてちゃんがきちんと休むように二人に見張ってほしいの」
まさか自分達が友人の監視紛いのことをやるとは思っていなかったために目を見開く二人。
その様子を見てシャマルは驚いて当然だろうと苦笑いをする。
そこで気を取り直したなのはが何故自分達のなのかと疑問に思い、口にする。
「あの、どうして私達なんですか? シャマルさん達は家族だから私達よりも簡単に見張れると思うんですけど」
「勿論私達もやるけど、はやてちゃんは主だからって言って世話を焼こうとするから結局あんまり休めないの」
「つまり、友達である私達の方がはやても気が抜けるってことかな?」
「はい、それに二人なら堅苦しい見張りじゃなくて一緒に遊びに行くとかしてもいいと思うの」
シャマルの理想としては休みの日は普通の女の子らしく友達と遊んでほしい。
目標に向けて真っすぐに走るのは良いことだが、時には立ち止まらねば息切れをしてしまう。
ゴールが明確な目標であっても休憩抜きで辿り着けるとは限らない。
偶には寄り道をした方がいいだろう。
「でも、そうなってくると私達もお休みを合わせないといけないんだよね」
「あ、そうか。でも、それはスケジュールを調整すればまだ何とかなるかな……なのは?」
はやてと一緒に過ごすには当然自分達の休日も合わせなければならないことに気づくなのは。
フェイトの方はすぐに予定をそろえれば大丈夫だと頷くが、なのはの方はそうではなかった。
自分が正月以外ほとんど休みを取っていなかったことに気づき、顔を青くするなのは。
頭の中のスケジュール帳では月に一度休みがあればいい方になっていたのだ。
「……そう言えば、なのはちゃんもあんまり休んでないって聞いたんだけど?」
「あ、あはは……気を付けます」
ここに来て、若干声を低くして確信的に尋ねるシャマル。
その声色になのはは苦笑いのまま曖昧な返事をすることしかできない。
フェイトの方もそんななのはの態度に心配そうな顔で見つめる。
「なのは、なのはも無理をしたらダメだよ」
「うぅ……でも、私が必要になるお仕事が一杯あるし」
「はやてちゃんと同じだと、はやてちゃんを休ませることができないわねぇ」
「うん。はやてのことだからなのはが言っても『まずは自分が実践するべきやと思うよ』って返してきそうだしね」
「ううぅ……」
二人にチクチクと責められるように言葉を掛けられて縮こまるなのは。
彼女としては自分が必要とされている以上はどんどん役に立つべきだと思っている。
その結果、疲労がたまるのだとしても根性と気合いで何とかカバーできる。
何の根拠もなく思っていたが、ここに来て自分が休まなければはやての役に立てないという状態に立たされた。
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