十話:休暇
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ん、そうみたい」
資料の山に埋もれた衝撃からか、それとも緊張の糸が切れたのか爆睡するはやて。
そんな姿に二人は胸を撫で下ろしながら、頷き合うのだった。
「後でシグナムさん達に伝えようか」
「うん、たっぷり叱ってもらわないとね」
自分達を心配させたのだから少しぐらいは怒られてくれねば、つり合いが取れない。
そんなちょっとした復讐心も混ざった感情で二人は騎士達に密告することに決めたのである。
そして、案の定目を覚ました後、はやては騎士達と二人にこってりと絞られたのであった。
「本当にありがとうね。なのはちゃん、フェイトちゃん」
「あはは、ちょっとビックリしましたけど寝てるだけで良かったです」
「うん。私も驚いた。それで、相談って何かな? シャマル」
爆睡してしまったはやてをベッドに運んだところで帰って来たシャマルに折り入って相談があると言われたなのはとフェイト。
今も爆睡しているはやてのことであるのは何となく察しがついている為か二人は落ち着いている。
「それがね、はやてちゃん、最近ちゃんと休んでいないの。夜も勉強で夜更かしばかりしちゃうし」
「大丈夫……じゃないよね。さっきの様子からしても」
「うん、無理のし過ぎは良くないよ」
友人の不健康な生活内容に心配そうな顔をする少女二人。
しかし、自分達が同じように無茶な生活を行っていることには目を向けない。
というよりも、この二人には特に無茶をしているという自覚がない。
人間は不便なことに鏡を見なければ自分を確かめることができない。
それ故に彼女達は他人の無茶を知ることはできても自分の無茶を知ることができないのだ。
「何とか休んでもらおうとしているんだけど、いつも笑って誤魔化されちゃって。どうにかできないかと思って相談したの」
「うーん……やっぱりちゃんと話し合うしかないんじゃ」
「はやてが頑張っているのは悪いことじゃないし……」
どうにかして止めたいと思うが案が浮かぶことはなく、時間だけが過ぎる。
そんな重苦しい空気の中シャマルは名案が思い付いたとばかりに手を叩く。
それにつられてなのはとフェイトがシャマルを見つめる。
「悩んでも仕方ないわ。無理矢理でも一週間に一日は完全休養日を設けましょう」
「でも、はやて納得するかな?」
もう、強硬手段に出てしまおうと腹をくくるシャマルにフェイトが不安の言葉を零す。
幾らこちらが決めようとも肝心の本人が隠れて訓練でもすれば全ては水の泡だ。
そして、はやての性格と成し遂げようとする物事の過酷さを考えれば素直に休む確率は低いと言わざるを得ないだろう。
「だからね、二人にお願いしたいことがあるの」
「それって何ですか?」
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