Side Story
共に在る為に 2
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寂しいなんて思わせたりしない。
月日の流れは光の如く。
十三歳になっても結婚しない俺を、まったく気にも留めてなかったらしいコーネリアは、自身が十三歳になって初めてその理由を聴き、
「分かりました」
拍子抜けするほど、あっさり頷いた。
「……本当に、良いの? ウェルスなのよ?」
母さんが心配そうにコーネリアの顔を覗く。
俺が目の前に居るってのに、そういう尋き方するなよ。
無神経だなあ。
「良いも悪いも、村のしきたりですから。私に拒否する権利はありません」
やめて。
そんなあからさまに、アンタサイテーって顔で俺を見ないで、母さん。
「私こそ、これまでお世話になっておきながら満足にお役に立てないままで申し訳ありません。今後は、より一層の……」
父さんと母さんに挨拶するコーネリアは、やっぱりどこか他人行儀だ。
これまで、家族として何もしてこなかったわけじゃない。
病気から回復した後は、できる限り意識して連れ回すようにしてたし。
女にだらしない自分を演じながらも、極力一緒に過ごしてきた。
距離は確実に縮まったと思う。
なのに、どうしてこんなに不安なんだろう。
いつか何も言わずに突然消えてしまうんじゃないか、なんて。
おかしいじゃないか。
今まさに、俺達が結婚するって話をしてる最中で。
コーネリアはそれを受け入れてくれたのに。
責任感が強いコーネリアが、俺との結婚に頷いたんだぞ?
黙って消えるなんて、ありえないだろ。
『わかんないぜ。女ってのは、嫌がる時はとことん嫌がるからな。それこそ死に物狂いで村から逃げ出すかもよ』
……ここは、あいつの居場所足り得ているのか?
あいつは、本当に俺を受け入れてくれてるのか?
怖い。
もしもそうじゃなかったら、あいつは自分の意思を殺してることになる。
そうじゃない。
それじゃダメなんだ。
俺は、お前の居場所になりたい。
お前が心を安らげる家族になりたいんだ。
もう二度と、帰って来ない誰かを待たなくても良いようにって……
俺は、そういう支えになりたいんだよ。
「ん……? …………ウェルス?」
だから、ねえ。
嫌なら嫌だと言って。
本気で俺を拒んで。
式を挙げる前にお前を抱こうとする俺を、全力で拒んで。
「……なんだよ、こんな時間に……」
深夜と早朝の間頃。
母さんと父さんが眠ったのを確認して、コーネリアの寝室に忍び込んだ。
コーネリアは眠そうな目蓋を擦り、覆い被さってる俺を半眼で見上げる。
……全然警戒してないな、こいつ。
「お前を犯す為に来たんだよ」
あ。さすが
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