Side Story
共に在る為に 2
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躊躇いなくあっさり殺すよ。変な自信。
「コーネリアの気持ちを蔑ろにするつもりなの!?」
「気持ち? 蔑ろ? 何言ってんの母さん。この村の結婚にそんなモノ無いでしょ」
十三歳で結婚するのは、この村の常識だ。あぶれるのはたまたま相手が足りてなかった幸運なヤツだけ。
相手が居るなら押し付け合うのが規則だろ?
こんなバカげた制度のドコに気持ちがあるのか、教えてもらいたいね。
「コーネリアは俺の一部なんだ。母さん達は、俺を引き裂いて壊すの?」
「!」
あぶれるよりも更に幸運な、相思相愛の母さんと父さん。
同じ年に産まれて良かったね。
羨ましいよ。本当に。
「……分かったから、止めろ。村長には俺が話してやる」
「ありがとう。その言葉が嘘にならないって、期待しても良いかな」
「ああ。約束しよう」
「貴方が父親で、俺は嬉しいよ」
こんなに狂った俺ですら護ろうと頭を悩ませてる姿は、男として素直に尊敬する。
「ごめんね、母さん」
「ウェルス……!」
解放した途端、母さんはその場で泣き崩れた。
本当にごめんね。他の事なら何でもするよ。他人に親孝行だねって誉められるくらいには頑張る。
でも、コーネリアだけは絶対に譲らない。
あいつが「当たり前」に居るのは俺の隣だけ。俺の「当たり前」も、あいつの隣だけなんだ。
もう二度と、あいつを一人にしない。
絶対に、寂しいなんて思わせたりしない。
月日の流れは光の如く。
十三歳になっても結婚しない俺を全く気に留めてなかったコーネリアは、自身が十三歳になって初めてその理由を聞き
「分かりました」
拍子抜けするほどあっさり頷いた。
「本当に良いの?」
母さんが心配そうにコーネリアの顔を覗く。
俺が居る前でそういう尋き方するなよ。
「良いも悪いも、村のしきたりですから。私に拒否する権利はありません」
やめて。
あからさまにアンタサイテーって顔で俺を見ないで、母さん。
「私こそ、これまでお世話になっておきながら、満足にお役に立てないままで申し訳ありません。今後はより一層の……」
父さんと母さんに挨拶するコーネリアは、やっぱり何処か他人行儀だ。
これまで、家族として何もして来なかった訳じゃない。倒れた後は意識して連れ回すようにしてたし、だらしない自分を演じながら極力一緒に過ごした。距離は確実に縮まったと思う。
なのに、どうしてこんなに不安なんだろう。
いつか何も言わずに突然消えてしまうんじゃないかって……おかしいじゃないか。
今まさに俺達が結婚するって話をしてる最中で、コーネリアはそれを受け入れてくれたのに。
責任感が強いコーネリアが、俺との結婚に頷いたんだぞ。黙って消えるなんてありえな
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