Side Story
共に在る為に 2
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れないんだ。だから、俺を止めないで。父さんと母さんは俺に、しっかりしろって叱り続けて」
「ウェルス……」
細い丸太を切り株の上に立てて乗せ、振り上げた刃でパカン! と割る。
退屈だったよ、こんな作業。
コツさえ掴めば、お遊びにもならない流れ作業だった。
でも、薪が無いと夜は寒いし。
薪を補充しないと大きな火が起こせないから、料理も飲み水も作れない。
薪は生活の要。
適当に流して良い筈がなかったんだ。
遊びに誘ってくれるトーマとクレイには悪いけど。
俺は仕事をちゃんとやり遂げたい。遊ぶのはその後でもできる。
まずは、自分が生きる為に必要なことをしっかりやらなきゃ。
あいつが俺の不始末で倒れたりしないように。
もう二度と、あいつが俺のせいであんな風に苦しまなくて済むように。
俺自身が、俺をしっかり支えなきゃダメなんだ。
「……本気なのか? ウェルス」
形から入って、習慣化して。
毎日の生活がすっかり変わったと自覚するには、五年なんて短かすぎた。
あっという間に訪れた十三歳の誕生日……の、前日の深夜。
俺の右手には、研ぎ終えたばかりの鋭い包丁。
左腕の中には、恐怖と驚愕で言葉を失ってる母さん。
目の前では、父さんが茫然と立ち尽くしてる。
「冗談でこんなコトはしないよ、父さん」
俺が作った緊迫の空気には、苦笑いしか出てこない。
父さんはガクリとうなだれて、椅子に崩れ落ちた。
「村長に……どう言えばいいんだ……」
心底疲れ切った表情で、深い深いため息を吐く。
うん、ごめん。
真夜中にいきなり叩き起こされて、こんな厄介な話を押し付けられて。
迷惑極まりないよね。
「こうして分かりやすい理由を作っただろ? 俺はコーネリア以外の女とは結婚しない。コーネリアを他の男にやるくらいなら、今ここで全員殺して、コーネリアと一緒に俺も死ぬ」
仕事に対する姿勢を買われた俺は、三つ年上の女と結婚を予定してる。
相手は村長の孫娘。
ゆくゆくは俺を村長にと進められた、両親から見ればありがたい話だが。
生憎、俺はコーネリア以外の女なんて要らないんだ。
だから、仕事以外ではわざとだらしなく過ごして女達に嫌われて。
軟派な野郎だーって、男達からの評価も落とそうとしてたのにさ。
貞操観念激低な女好きの最低男に大事な孫を託そうとすんなよ、村長様。
アンタ、軽率すぎ。
「……コーネリアは、お前に同意してるのか?」
「いいや? これは俺のワガママ」
なんとか回復したコーネリアは、病に臥せてた間のこと……
高熱で倒れた自分も、俺と交わした言葉も全部、綺麗さっぱり忘れてた。
当
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