第四部。変わる日常
プロローグ。『終わらない千夜一夜』
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こそ。『従姉妹』はそんな彼に対して宣戦布告なんてしたんだけどな。
ん? こんなにピンチっぽく話てるのに、随分余裕そうな顔をしてるな。 ははーん、解ったぜ。
さては俺が最初に『この物語の主人公はハーレムを作った』ってオチを話していたから、どうせなんとかするんだろう? なーんて、思ってるんだろう。
まあ、確かにその通りなのだが、だが俺はまだお前に語っていないことがある。
それは……
______奴はハーレムを作る前に、とても大事な何かを失うんだよ。
ははっ、ちょっとシリアスな顔付きになったな。ああ、そうさ。俺が話している物語には、意図的に語っていない部分もあったりするんだよ。だから、このまま最期まできちんと付きあってくれよ?
さもないと、お前自身も『物語』に食べられてしまうかもしれないぜ……?
などと、脅したところで。
早速続きを語るとするか______。
さあ、百物語のエピソード4を語るとしよう。
2010年6月19日。夜霞市内路上。
「私の物語になりなさい、兄さん」
理亜の口から、そんな言葉が紡がれる。
妹のように可愛いがっている従姉妹からその言葉を聞かされ、俺はあまりの衝撃を受けて動けなくなる。
自分自身で動揺しているのが解ってしまう。
何故だ。何でこんなことになってしまったんだ!
混乱するあまり、頭は正常に働かず、ただひたすら『どうして』とか、『なんで』という疑問ばかりが頭の中でぐるぐる巡っている。
何がいけなくて、どこで選択を間違えたのか。
どうしてこんなことになってしまったのかが解らない。
「り、理亜、は、話を聞いてくれっ」
俺の顔をただただ冷たい目で見下すように高い場所から見下ろす理亜。
その視線には『怒り』や『悲しみ』といった感情が浮かんでいるのがなんとなく解る。
『終わらない千夜一夜』の主人公。
『絶対に関わるな』と一之江が忠告したほどの存在。
そんな存在が俺の従姉妹だなんて、誰が予想出来ただろうか?
「物語になる、とか……理亜と戦うとか、俺は、絶対に嫌だ!」
一文字疾風が大事にしてきたたった一人の妹のような存在。
何がきっかけかは解らないが、俺は今一文字の体を奪っている。
理由は解らない。望んでそうなったわけではない。
ただ、変わらない事実はある。
憑依して存在している。
その事実は変わらない。
そんな一文字が大事にしていた妹。
困っていたら助けたいと常々考えていた、仲良しな妹。
須藤理亜の存
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