暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第四部。変わる日常
プロローグ。『終わらない千夜一夜』
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
こそ。『従姉妹』はそんな彼に対して宣戦布告なんてしたんだけどな。


ん? こんなにピンチっぽく話てるのに、随分余裕そうな顔をしてるな。 ははーん、解ったぜ。
さては俺が最初に『この物語の主人公はハーレムを作った』ってオチを話していたから、どうせなんとかするんだろう? なーんて、思ってるんだろう。
まあ、確かにその通りなのだが、だが俺はまだお前に語っていないことがある。
それは……



______奴はハーレムを作る前に、とても大事な何かを失うんだよ。




ははっ、ちょっとシリアスな顔付きになったな。ああ、そうさ。俺が話している物語には、意図的に語っていない部分もあったりするんだよ。だから、このまま最期まできちんと付きあってくれよ?
さもないと、お前自身も『物語』に食べられてしまうかもしれないぜ……?












などと、脅したところで。
早速続きを語るとするか______。



さあ、百物語のエピソード4を語るとしよう。

















2010年6月19日。夜霞市内路上。




「私の物語になりなさい、兄さん」




理亜の口から、そんな言葉が紡がれる。
妹のように可愛いがっている従姉妹からその言葉を聞かされ、俺はあまりの衝撃を受けて動けなくなる。
自分自身で動揺しているのが解ってしまう。
何故だ。何でこんなことになってしまったんだ!
混乱するあまり、頭は正常に働かず、ただひたすら『どうして』とか、『なんで』という疑問ばかりが頭の中でぐるぐる巡っている。
何がいけなくて、どこで選択を間違えたのか。
どうしてこんなことになってしまったのかが解らない。

「り、理亜、は、話を聞いてくれっ」

俺の顔をただただ冷たい目で見下すように高い場所(フェンスの上)から見下ろす理亜。
その視線には『怒り』や『悲しみ』といった感情が浮かんでいるのがなんとなく解る。
終わらない(エンドレス・)千夜一夜(シェラザード)』の主人公。
『絶対に関わるな』と一之江が忠告したほどの存在。
そんな存在が俺の従姉妹だなんて、誰が予想出来ただろうか?

「物語になる、とか……理亜と戦うとか、俺は、絶対に嫌だ!」

一文字疾風が大事にしてきたたった一人の妹のような存在。
何がきっかけかは解らないが、俺は今一文字の体を奪っている。
理由は解らない。望んでそうなったわけではない。
ただ、変わらない事実はある。
憑依し(乗っ取っ)て存在している。
その事実は変わらない。
そんな一文字が大事にしていた妹。
困っていたら助けたいと常々考えていた、仲良しな妹。
須藤理亜の存
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ