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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico49-B大力は禍の元
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てください」係員さんの案内でゴンドラに乗り込んだ。1周20分の大観覧車や。それだけ休めばまた絶叫マシンにも乗れるやろ。徐々に高度を上げてくゴンドラから望める景色に「おお・・・!」ルシル君と一緒に感嘆の声を上げた。
「なんでかな〜。観覧車から見る景色って、特別綺麗に見えると思うわ〜」
「あ、それは俺も思うぞ。なんでだろうな〜」
2人して笑い合いながらゴンドラから見える景色を指差して喋る。シグナム達と一緒に暮らすようになってからはホンマに2人きりになれる長い時間なんて無かったから、こうゆう時間は久しぶりでやっぱ嬉しい。
「やっぱ地上本部は高いなぁ〜。薄らとやけど見える」
「あんな超高層建造物、日本どころか地球には無いからな」
頂上をちょう過ぎたところで地上本部のセントラルタワーが見えた。座ってるルシル君の隣に座ろうと席を立って指差し合ってると、ガタン、ってゴンドラが揺れたから「ひゃっ?」バランスを崩してルシル君の方へ倒れ込んでしもうた。
「「っ!?」」
心臓が止まるかと思うた。すぐ目の前にはルシル君の見開かれた綺麗な紅と蒼の瞳がある。鼻先が完全に触れてる。唇は・・・ギリギリ触れてない。そやけど数cm近付けるだけで完全に触れられる。ごくっと唾を呑む。
――はやてもルシルに
愛の証
(
チュー
)
しちゃいなyo♪――
以前、アイリに言われた言葉が脳内に流れた。あと、天使なわたしと悪魔なわたしが現れて・・・
――ここは事故を装ってチューしちゃいましょう! さぁ、勢いに任せて熱いベーゼを!――
天使がそう言うて・・・
――いや、ダメよ。もっとムードのある中で、そう、夜景が一番! 夜になるまで待ちなさい!――
悪魔がそう返した。普通逆やない? 唆すのが悪魔で、諌めるのが天使のはずやのに、役割が逆になってしもうてる。
――ちょっと悪魔! これは最大のチャンスよ! それを邪魔するなんて、それでも悪魔なの!?――
――そっくりそのまま返すわ、このイロモノ天使!――
――なによ!――
――なにさ!――
アカン。脳内でハルマゲドンが勃発してもうた。あ゛あ゛あ゛〜って頭を抱えそうになると、「ほら、座らないと危ないぞ」ルシル君がわたしの両頬に手を添えて、わたしの顔を離した。あぅ、残念や。でもまぁ、告白もまだなんやし、キスはまたお預けってことにしておこか。
「ありがとうございました。お降りの際には足元にお気を付け下さい」
それからほとんど会話も無く景色を眺めて、観覧車を降りた。気不味くなるかなって思うたけど「じゃあ、次はどこへ行こうか?」ルシル君はわたしの手を握って、笑顔でそう訊いてくれた。わたしはマップを確認して「ゴーカートとか行ってみぃひん?」って、訊いてみた。
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