暁 〜小説投稿サイト〜
Deathberry and Deathgame
Chapter 3. 『世界を変えた人』
Episode 17. Talkin’ Red Heath, Leavin’ Black Cat
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所属最強だ、だの、やれその力を最強ギルドで活かしたくはないか、だの言って俺たちを説得しにきやがった。
 が、リーナの「しつこい男は嫌われる」の一言で褒め殺しを中断。今日のところは顔合わせで留めておこう、と引き下がった。いや今日でも明日でも一年後でも、絶対に受けねえっつの。つか引き下がったクセに、まだ勧誘の話引きずってんじゃねえか。しつこい奴だ。

 とまあ、そうやって勧誘をばっさり断られ、更に苛立つ俺の言葉を受けても尚平然としたままのヒースクリフはコーヒーカップをソーサラーの置き、ふむ、と短く呟いた。

「確かに、私の勧誘を君が素気無く断ってくれたことで、今日の主目的は完了している。よって、ここに留まる積極的理由はない」
「ならもういいだろ、メシは静かに食いたい派なんだよ、俺は」
「しかし断られたからと言って、はいそうですかと帰るわけにもいかない。仮にもギルドリーダーとして行動を起こし、またアスナ君のコネクションを使わせてもらった以上、それに報いるだけの益は得たいところだ」

 ヒースクリフがそう言うと、横からアスナが一枚の羊皮紙を提示してきた。示し合わせてたとしか思えないタイミングで出てきたそれに書かれてたのは、数行しかない短い文字列。『Markes』『Bandit』『Greim』……全てプレイヤー名のようだった。

「最近動きが活発化してきてる、あるオレンジギルドのメンバーのリストよ。ギルド名は『デスサイズス』。フィールドで単独、あるいは少数のプレイヤーを狙って襲い、散々痛めつけて抵抗力を奪ってから、金品を巻き上げる。
 流石に殺しまではしてないみたいだけど、HPバーが赤くなるまで嬲られた、本気で死ぬかと思った、って証言もあるくらい凶悪な連中ね」
「……それ、知ってる」

 アスナの言葉に、今までケーキを黙々と消費していたリーナが反応した。口の端にクリームが付いたままだが、茶々を入れられる雰囲気じゃない。大人しく手元のモンブランを片づけることにする。

「この前、情報ペーパーの要注意ギルドリストにも載ってた。人数は判明しているだけで十二人、最も多い証言では十八人と言われてる。リーダーは曲刀使いの大男で、名前は……」
「マルカスよ」
「そう、それ。その討伐を私たちにやれとでも?」

 苺の乗っかったショートケーキの最後の一欠片を食べ終えたリーナの問いに、はっきりとアスナは頭を振る。

「ううん、そこまでは言わないわ。けど貴方たち、最近ヒマしてるんでしょ? ヒマ潰しでもなんでもいいから、ちょっと見回っておいてほしいの。今までは十番台にしか出没しなかったのに、一週間くらい前、二十番台でも彼らの犯行と思われる襲撃事件が発生した。力を付けてきた今、警戒を強くしないと被害が拡大する恐れがあるわ。
 私たちがギミックエリ
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