第15話 三人の絆
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しばらく泣いているルインを抱き締めていたエックスはルインをゆっくりと放した。
「落ち着いた?」
「う、うん…ごめんね、取り乱しちゃって」
「構わないよ……それにしても、ベビーエルフ達が…まさか…あそこまで力をつけていたとは…」
何とかエルピスを止めようとしたが、ベビーエルフ達に阻まれて逆に押さえつけられてしまった。
「エックス…」
「ダークエルフを封印するので精一杯の…ボディを動かすことも出来ない今の僕には…どうすることも出来ない…。」
自分ではどうすることができないと嘆くエックスにルインは安心させるように笑みを浮かべた。
「心配しないで…エルピスは私達が止めるから。絶対にエルピスの好きにはさせないし、ダークエルフも復活させない!」
「……うん。ありがとうルイン…でも、彼女が…ダークエルフがベビーエルフ達の呼び掛けに応えてる…ルイン…もうあまり時間がない…彼を…エルピスを止めてくれ」
「うん…任せて」
ネオ・アルカディア軍の生き残りに見つからないうちにこの場から離れようとエックスの体が淡く光り始めた。
「あ、待って。エックス…」
「?」
「その…エックスがどこに行くのか分かんないけど…その…大丈夫…だよね…?」
「うん。心配しないで…僕は大丈夫だから」
「うん…でも、せめて…御守りみたいなのあげたいな…」
離れている間もせめて、エックスが無事でいてくれるように祈りを込めて。
エックスはそれを聞いて嬉しそうに、そして少し困ったような表情を浮かべた。
「ルイン…嬉しいけど、今の僕に物は…」
「私がエックスにあげるのは“物”じゃないよ…」
赤面し、エックスを上目遣いで見つめ、指を弄り合わせてもじもじしながら言うルイン。
そんな仕草を見ていると、エックスも少し落ち着かないような気分になるが、ルインは弄り合わせていた指を開いて手をエックスの頬に触れ、包み込むようにする。
気のせいか、ルインの動力炉の音がエックスの聴覚器に届く。
次の瞬間、ゆっくりとルインの顔が迫って、互いのヘッドパーツのクリスタル部分が当たり、エックスは身動きが取れないまま、ルインの身体の両脇で腕を半開きにしたまま、硬直した。
エックスは自身の唇に柔らかい感触があることに気付き、ルインの唇が押しつけられ、口づけされていることに気付いた。
彼女と結ばれて、いずれはこういうのをしたいとは考えたことはあったが、まさか彼女の方からしてくるとは完全に予想外であった。
「エックス…」
唇が離れ、潤んだ瞳で赤面しているルインがエックスを見つめる。
「………」
「ファーストキスだよ…一応。人間だった頃は分かんないけど、レプリロイドの私の初め
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