第14話 ノトスの森
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
行方不明となったエルピスを追い掛けてノトスの森を訪れたルインは目的の人物が目の前にいたことに目を見開いたのと同時に安堵したが、エルピスの周りを浮遊している存在に体を硬直させた。
あれはシエルが厳重に保管していたベビーエルフだ。
「エルピス司令官。あなた…こんなとこで何をしているの?ベビーエルフまで連れて…」
「ハハハッ、ルインさんじゃないですか。もしかして……私をお探し…なんですか?」
どれだけ皆が心配しているかなど、全く気にもかけていないエルピスの態度にルインは顔を顰めた。
「どうしてシエルの研究室で厳重に保管していたはずのベビーエルフをあなたが連れているのか色々聞きたいところだけど、今すぐレジスタンスベースに戻って。あなた一人で何が出来るの?」
「それが出来るんですよ。ある物さえ手に入ればね…。二百年間眠っていたあなたには分からないかもしれませんが、この世界には手に入れるだけで、誰でも強大な力を使える物が存在する。教えてくれたんですよこのベビーエルフ達が……」
エルピスの豹変ぶりにルインは少し戸惑いを覚えるが、恐らくエルピスはベビーエルフに利用されているのだろう。
そしてベビーエルフがエルピスを利用してまで会いたいと思う存在は…ふと、ルインの脳裏にデュシスの遺跡でのエックスとの会話で聞いた言葉が脳裏を過ぎた。
“ベビーエルフ達は母に会うためなら、何でもする。人の心を揺さぶり、運命を狂わせる…母である、ダークエルフに…僕が封印しているダークエルフに会いたいがために…ね”
恐らくベビーエルフはエックスが封印しているダークエルフに会いたいがためにエルピスを利用しているのだろう。
ベビーエルフからすれば、失意のどん底にいたエルピスを誑かすのは簡単だったに違いない。
「もしかして…エックスが封印しているダークエルフのこと?」
「そうです…クックック…私も、最初は御伽噺話だと思っていました…。でも今は確信しています…“これは、本当の話だ!!”…とね。この場所には、ダークエルフの封印を解く鍵が置いてあります。どちらが先に鍵を手に入れるか…競争ですね…」
「あっ!ちょっと!?」
正義の一撃作戦の失敗で落ち込んでいたあの様子から一転して楽しそうなエルピス。
ルインの言葉を聞こうとせず、楽しげに言うと、エルピスはベビーエルフと共にさっさと先に行ってしまう。
ダークエルフの力を得ることがどれほど危険かを知らず、まるで無邪気な子供のようにゲームを楽しんでいるかのようである。
「あの馬鹿…」
『…エルピスがいたのね…。ルイン…彼のこと…お願い…』
「了解。尤も、今のエルピス司令官が話を聞いてくれるのか正直微妙なところだけどね」
エルピスを追い掛けるには、ま
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ