暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
106話:機動六課防衛戦線(後編)
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 どういうことだ。
 それがその場にいる、全員が思う事だった。

 現れたのは確かにディケイドで、しかもヴィヴィオを連れており、おそらく彼がザフィーラを放り投げたのだろう。
 ならザフィーラが重体なのは彼が原因か? ヴィヴィオを抱えているということは、アイナはどうしたのだろうか。

 急に現れた奴はなんだ? 何故ディケイドと同じ姿をしている? 何故自分達が狙っていたヴィヴィオを抱えている?


 それぞれがそれぞれの疑問や想いを抱きつつ、現れたディケイドを見つめる。
 街の灯りと戦いで出来て燃える炎によって照らされた彼の姿は―――黒く彩られていた。

 そう、黒≠ネのだ。
 士が変身する本来のディケイドとはかけ離れ、彼の姿は黒みがかった灰色で彩られ、瞳は青く胸部を横切るディヴァインアーマーは金色。ドライバーは真っ黒く染まっている。

 悠々と歩む彼―――仮にダークディケイド≠ニ名付けようか。
 六課隊舎から数百メートル前、士達の戦場から数十メートルといったところで彼は歩みを止めた。


「―――お前、何者だ…?」


 そこへ一番近くにいたオーズ・タトバ―――士が、声をかけた。
 嫌な予感がする、彼が現れてから感じたものがそれだ。理論的なことも決定的なこともない、ただ直感的に感じたことだ。

 しかしその感覚も一旦頭の隅に追いやり、おそらく全員が思っているであろうことを代弁した。


「……………」


 質問されたダークディケイド。しかし彼はそれに答えることなく、ただ当たり前のように腕を動かし―――


「―――……ッ!?」


 銃口≠向けた。

 全員が驚きの声を上げる中、ダークディケイドは躊躇いなく引き金を引いた。
 自らの体と同じ濃い灰色の、しかも砲撃とも呼べるようなエネルギー砲が彼が持つライドブッカーから放たれた。

 その向かう先は―――六課隊舎。


「守れッ!」
「わかってる、任せろ!」


 振り向きながら叫ぶタトバ、それに応えたのは隊舎上に立っていたオーズ・ブラカワニ。
 先程戦闘機人オットーの攻撃を防いだ時のように、両腕のシールドを合わせ盾を作る。更には魔力を使い、目の前に防壁を展開する。


「―――ぐッ…!」


 衝突する砲撃と防壁。その衝撃がブラカワニの体を貫き、思わず声を上げる。
 しかししっかりと受け止めた感覚がある。これなら守れ―――


―――ビキッ…
「ッ、なん…!?」


 だが、そんな思いも束の間……
 ブラカワニの目の前にある防壁に、突如音を立てヒビ≠ェ入ったのだ。

 すぐに魔力を通わせ防壁の崩壊を免れようとするが、それすらないかのようにその
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