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逆さの砂時計
Side Story
共に在る為に
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かしいな。
 どうしてこんなに集まりが悪いんだ? 大した量じゃないのに。

「コーネリア……」

 汗が滲んでて、息苦しそうだった。
 触れた熱を思い出すと、俺の手まで熱くなったみたいに震える。

 大丈夫、だよな?
 父さんが医者を呼んでくるって言ってたし、母さんが看てるから大丈夫。
 大丈夫だ、きっと……。

「手は尽くしました。これで治まらなければ、残念ですが」
「そんな! なんとかならないのですか!?」
「彼女の体力次第、と言いたいところですが、今回の場合は過労が病を引き込んでいます。こんなに体を酷使した子供なんて、聞いたことないですよ」
「コーネリアは辛いとか苦しいとか、一言も……こんなになるまで、一言も言ってくれなかったなんて!」
「心配をかけたくなかったのでしょう。とにかく、今は見守るしか」
「コーネリア……ああ……! ごめんなさい、ごめんなさい!」

 軽く開いた扉の奥。
 眠るコーネリアの周りで、父さんと医者が泣き喚く母さんを慰めてる。

 コーネリアが倒れたのは、過労が原因の病気。
 体を酷使したせい。

 酷使って、なんだ?
 朝早く起きて、水を汲んで。
 毎食後、手伝う程度に皿を洗ったり片付けしてた、だけじゃないのか?
 どうしてその程度で過労になるんだ?

「あいつ、いったい…………まてよ?」

 そういや俺、あいつと同じ部屋で寝起きしてる筈なのに、あいつより先に起きたことが一度もない。
 水を汲んでる姿も見たことはないけど、母さんが料理を主にしてるなら、四人分の水を毎日用意してるのは、あいつじゃないのか?
 飲む用の瓶は、朝になるといつもいっぱいになってた。
 それに

「……………………っ!」

 もしやと思って外に出てみれば、薪割り場が綺麗に片付けられてる。

 深く考えてなかったけど、毎回毎回投げやりに使ってる筈のこの場所が、毎日さっぱりしてたのはどうしてだ?
 父さんや母さんはそれぞれ、別の仕事で手一杯だし。
 今じゃ、ここは完全に俺専用の仕事場と化してるんだぞ?
 あの二人が黙って綺麗にしてくれるわけないじゃんか!

「…………あ……あああ!」

 昼前に、やる事があるって言ってた、あれは……
 あいつ、俺が投げ出した仕事を全部肩代わりしてたんだ!
 自分の仕事をしながら、俺がサボって楽した分も全部背負ってた!
 多分他にも俺達が気付かなかった小さいことや大きいことを、たくさん。
 そのせいで……!

「……いやだ……」

 俺が、自分の仕事をちゃんとしなかったから。
 俺のせいで、あいつが倒れた。
 ずっと一緒に居たコーネリアが、俺のせいで、死ぬ。

 そんなの、嫌だ!!

「ウェルス!? アンタ
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