Side Story
共に在る為に
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いないから、あぶれた年上から選ばれるらしいけど。
実感が全然沸かないんだよなー……。
いや、女体には興味あるけどさ。それは鑑賞物っていうか、見るだけで良いっていうか。
「でも、キマリゴトじゃん? 逃げようがないでしょ」
「わかんないぜ。女は、嫌がる時はとことん嫌がるからな。それこそ死に物狂いで村を出て行くかもよ」
面倒臭いなぁ……長い物に巻かれておけば楽なのに。なんで女って、無駄に自己主張が激しいんだろ。意味不明。
「あー、ツマンナイ。」
赤く熟れた実をうっかり潰さないように手で支え、もぎ取る。
それだけの作業を、区切りが付くまで延々と繰り返した。
「ウェルス! 遊びに行こー!」
「うーい。今日は何すんだ?」
「湖の近くで面白い物見っけたんだ。ソコ行こうぜ!」
家へ帰って朝食を済ませたら、次に待つのは材木集めと薪割りだ。
が。俺とダチ二人は、一定数を確保した所で片付けもそこそこに、早々と戦線離脱した。
二軒隣のトーマとその隣に住むクレイとは、三人しかいない同年同士、仲が良い。コイツらと遊ぶ時間は何よりも楽しくて、宝探しみたいな周辺探索にはわくわくする。
「こら、アンタ達! 遊ぶのはちゃんと仕事を終わらせてからに……って、クレイ! 危ない!」
「ぅわ!?」
野菜を両手に抱える近所のおばさんから逃げようとしたクレイが、前方に居たコーネリアの背中にドンッとぶつかった。体重が軽いコーネリアはあっさり吹っ飛ばされ、思いっきり顔から転ける。
コイツ、朝食の時も居なかったのに、どうしてこんな村の入り口近くでボーッと突っ立って……じゃない!
「ちゃんと前見て走れよ、クレイ! 危ないだろ! 大丈夫か、コーネリア」
トーマとクレイを押し退けてコーネリアの前に回り込み、手を差し出す。
鼻は少し赤くなってるが、怪我は無さそうだ。良かった。
「大丈夫。ありがとう」
「お前も来るか? トーマが湖の近くに面白い物を見付けたんだってさ」
物のついでだと、立って膝に付いた砂を払うコーネリアに誘いをかけてみる。
が。
「トーマ……誰?」
「え」
きょとんとした表情で俺達三人を見比べ、首を傾げたコーネリアは「ごめん、やる事があるから」と言い残して立ち去ってしまった。
「なんだアイツ。つまんねーの。行こうぜウェルス」
「あ、あぁ……」
村の外へ腕を引っ張られながら、ちらりと振り返る。
コーネリアは家に帰ったのかな。
あいつ……トーマもクレイも本当に知らないって顔してた。
どうして? 俺達三人は毎日会ってるのに。
確かにコーネリアとは面と向かって話してなかったと思うけど、同じ村の同じ家で一緒に暮らしてるアイツが俺のダチを知らないなんて、そんなバカな。
でも…
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