第六話 アンリエッタ誕生
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かったらしい。両親や他の貴族にもよく注意されるが、別にお礼くらいいいと思うんだけど・・・
それはそうとミランの事だけど、二年前の襲撃事件で右足を失う重症を負った事でグリフォン隊を除隊せざるを得なくなった。そのため持っていたシュヴァリエの称号は除隊したことで剥奪されてしまった。
元々ミランは弱小貴族の三男坊で土地なんて持ってない。魔法衛士隊を除隊したため普通の騎士として再仕官する様になるみたいだけど、なにかと体面にこだわるトリステインが隻脚の騎士の仕官を許すかどうか・・・
平民を妻にしているという事で隊内での評判が悪かったと聞いているから再仕官は認められずそのままトリステインから追い出される可能性も十分高い。無職になっても当然というべきか失業保険なんて有る分けないし、飼育に何かと金がかかることから手持ちのグリフィンを手放したと後で聞いた。
収入といえば、奥さんがトリスタニアで花屋をやっているらしいが、命の恩人でもあり、平民を差別しない事から何かと好感を持っていたミランを無役にするのも気が引ける。何とかできないかと父さんに相談したら魔法の講師として雇ってもらえるようになったが、シュヴァリエへの復帰は認められなかった。
ちなみに前任のバレーヌ先生は栄転という形で次の任地にホクホク顔で旅立った。少しは残念そうな素振りをすると思ったんだけど、オレは都合のいい出世の踏み台だったらしい・・・かなりヘコむ。
気を取り直して授業を受けるため部屋を出る。途中、何人かの女官やらメイドが慌ただしく歩いていたことを見ても、母さんの出産が近いことを感じさせた。
魔法衛士隊の練兵場はどこも埋まっているため、室内練習場っぽい部屋を使うことになっている。
練習場へ向かう途中で一人の貴族とその後に続く取り巻きらしき貴族連中が視界に入った。
「あいつらはたしか・・・」
先頭を歩く貴族を思い出そうと頭をひねると該当する貴族がヒットした。
「たしか・・・リッシュモン・・・伯爵だったか?」
ここ数年で頭角を現してきた貴族だ、けっこう優秀らしいがちょっと腑に落ちない所もある。
噂だから何ともいえないがリッシュモンをプッシュする連中に宗教関係者が多い事がどうも引っかかった。これは日本人特有の宗教観が作用したのかもしれない、前世のオレは無神論者をいうより日本型仏教徒だった、正月にお盆にクリスマスとそれぞれ祝ったり楽しんだりしたし、ちゃんと墓参りもしたり気が向いたら仏壇に手を合わせたりした。ようするにオレにとっては始祖ブリミルも八百万の神々の一柱なのだ。
・・・まぁ、オレの宗教観なんぞどうでもいい。
つまり教会の権力を笠に出世していくリッシュモンはとてつもなく胡散臭く思えるのだ。
肩
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ