Chapter 3. 『世界を変えた人』
Episode 16. Red Heath after Black Cat
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ことがあるんだけど、いいかな」
「内容と報酬によりけり。下限は十万コル」
「……ってのは冗談だ、スルーしとけ。大袈裟なことじゃねえなら受けてやるよ。何だ」
「むぅ」
抗議の視線を寄越すリーナを捨て置いて、俺はケイタに続きを促す。
「うん。聞いてるかもしれないけど、僕たちは明日からディアベルさんのギルドで講習を受ける予定なんだ。見ての通り、ウチのギルドはスキル構成のバランスが悪い。だから、後衛の一人を盾持ち片手剣士に転向させて、前衛を増やしたいと考えてる。二人いれば、今みたいに回復がおっつかなくてジリ貧ってことは防げるからね」
流石に現状くらいは分かってたらしい。解決策も、まあ妥当なトコだろう。前衛職の中で、盾持ち片手剣士は多分一番多いスキル選択だ。その分情報も出回ってるから、参考元も山ほどある。
「で、その転向する後衛っていうのはサチなんだけどさ、どうも勝手が分からないみたいなんだ。僕を含めた他のメンバーもテツオと上手い連携の取り方っていうのが出来ない。ディアベルさんたちにはその辺を教わる予定なんだけど……」
ケイタはそこまで言うと視線を逸らして口をつぐんだが、こっちが続きを促す前に意を決したように俺たちに向き直り、
「その前に一護さん、リーナさん、二人にも少しコーチをしてもらいたいんだ」
「俺らの出番じゃねえ」ハズの仕事内容の追加を依頼してきた。
◆
リーナの中に浮竹さんの如き教育熱ないしは博愛精神が根付いていたのか、それともケイタが提示した1レッスン五千コルというボッタクリセミナー並みの授業料に惹かれたのかは知らねえが、相方のゴリ押しに根負けした俺は、ケイタの追加依頼を受けることにした。
予定していた狩り一通りを終えた俺たちははじまりの街に転移して、SSTAの訓練所の一部を借りた。人に剣を教えるなんて大層なことやったことねえよ、という俺の訴えを無視して「同じく片手剣士だから」と俺にサチを押し付けたリーナは、他の四人を率いて早速実戦形式の訓練……という名のイジメを始めた。それなりに重量のあるはずのメイス相手に短剣で真正面から打ちあってるのは流石だが、俺の方が向いてんじゃねえか、ソレ。
で、俺とサチの方はと言やあ、開始十分で訓練が頓挫したっきりだ。
何をやったモンかもわかんねえから、とりあえず適当に盾を構えさせてこっちの攻撃を防ぐ練習を始めてみたんだが、これがさっぱり上手くいかねえ。盾を身体の真正面に構えたっきり、俺の剣に怯えて完全に固まっちまった。盾に向かってゆっくり斬りつけただけで目ぇ瞑っちまうような有様だし、剣が怖えなら拳でどうだ、ってことで素手で相対してみたんだが、結果は変わらずじまいだ。むしろ怯えの度合い上がってねえか?
逆に攻撃すんのは出来
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