第11話 正義の一撃作戦
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
シエルの性格からしてネオ・アルカディアへの総攻撃に対して思うことがあるのは間違いないだろうし、これは充分予想出来たことだ。
「どうしても…やらなければいけないの?総攻撃なんかしたら…多くの人が、傷付いてしまうわ…」
後少しで新エネルギーの開発が終わりそうだと言うのに、ネオ・アルカディアへの総攻撃をされたらネオ・アルカディアと和解出来る可能性が完全に消えてしまう。
「我々の未来のためには多少の犠牲は仕方ないのです…悲しいことですが…」
「シエルの研究がもうすぐ完成しそうなんだ…新しいエネルギーが完成すれば、ネオ・アルカディアも我々を弾圧する理由がなくなるはず…もう少し…待ってくれないか」
「それは、少し…甘いかもしれませんね。新しいエネルギーが完成し、それを差し出したとしても、ネオ・アルカディアは我々を許さないでしょう」
段々とエルピスの表情が苛立ってきている。
長い時間を費やしてきた作戦を邪魔されていることもあるのだろうし、この期に及んでまだ対話による解決をしようと考えていることに対しての怒りもあるのだろう。
「で、でも…!ルイン、お願い。あなたもエルピス達を止めて!!」
自分だけではエルピスを説得出来ないと判断したシエルはルインに助けを求めた。
「……正直、総攻撃以外に関してはエルピス司令官の方が結構正しいと思うよ」
「え…?」
少しの沈黙の後にまさかのエルピスを肯定するような言い方にシエルは目を見開いた。
「ネオ・アルカディアに総攻撃することに関してはあまり賛成は出来ないけど、一度イレギュラー認定されたレプリロイドをネオ・アルカディア…特に人間に受け入れられるとは思えないんだ」
「そ、そんな…どうして!?」
「…人間ってのはね。普段は道徳観念に基づいた建前を面に出して生きてはいるけれど、危機が訪れれば醜い部分を躊躇いもなく露呈する弱い生き物なの。ケイン博士や君のような一部の変わり者を除いてね…新エネルギーを差し出したとしても人間はイレギュラー認定されたレジスタンスを恐れるだろうし、人間第一主義の政策を掲げるネオ・アルカディアにレジスタンスを受け入れることは出来ない。それ以前に人間達は、レプリロイドが無意味に弾圧されてもおかしいと感じていない……エルピス司令官の言う通り、新エネルギーを差し出したとしても、ネオ・アルカディアはレジスタンスを受け入れないよ。」
「そ…んな…」
友人のルインにネオ・アルカディアとの和解を真っ向から否定されたシエルはうなだれた。
「でも、和解出来る可能性は0じゃない。少なくても、ネオ・アルカディアにも今のやり方に疑問を抱いている人間もいるはず、例えば、レプリロイド工学員とかね。もしかしたら単なる自己満足かもしれないけれど、か
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ