第五話 真夜中の襲撃
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前に出発し途中で合流したい』
と、いう旨の連絡が入った。
父さんは少し考えたものの結局、承諾した。
「陛下、グリフォン隊が半数しかいないのでは屋敷の警備に支障が出るのでは?」
母さんが不安を口にするが。
「なに心配は無い、この屋敷や周辺の農村からも警備にいくらかの人員を出すそうだ」
と、のんきに構えている。
『まぁ、少々不安だが大丈夫だろう』
オレを含め多くの人たちが楽観的になっていた。
真夜中。
父さんと母さんの間に挟まれるような形で寝ていたオレは尿意を覚えて目を覚ました。どうやら昼間にジュースを飲みすぎたらしい。
ベッドから降りる為にもぞもぞしていた事で父上が目を覚ました。
「マクシミリアン、どうかしたのか?」
「ちょっとトイレに」
「そうか、廊下に出るとグリフォン隊が警備をしているから、その人に言ってトイレまで案内してもらうように頼みなさい」
「はい」
そう言い終わると再び寝息を立てる。
廊下に出ようとして、杖を忘れていることに気付き取りに戻った。なぜ杖が必要かというとトイレ使用後、後に使う人のために水魔法で軽く掃除するのが癖になってしまったのだ。
汚いトイレが我慢ならない元現代日本人の悲しい性である。・・・潔癖症ともいうが。
それはともかく、杖を持ったオレは廊下に出ると警備をしていたグリフォン隊隊員に声を掛けられた。
「殿下、いかがなさいましたか?」
「トイレに行きたいから誰かに案内して欲しいんだ」
「かしこまりました。少々お待ちください」
隊員は軽く一礼するとオレ達が寝ていた部屋から二部屋ほど隣の部屋へ入っていった。どうもグリフォン隊の出直室らしい。
隊員は入って一分も経たないうちに、もう一人別の隊員を伴って現れた。
「お待たせいたしました。この者に案内をさせますのでご安心を」
『ご安心を』ってどういう意味だよ。一人でトイレも行けないと思われたんだろうか? ・・・まぁ、いいけどさ。
「初めまして殿下、ミランと申します」
歳は見た感じだと二十代後半から三十代前半で筋肉モリモリマッチョマンの隊員がにっこりと微笑んで敬礼した。
別に名前なんか聞いてないんだけど・・・まぁ、いいか。
「それよりも早く案内して欲しいんだけど」
「これは失礼しました。ささ、こちらへ」
とにかく彼についていく事にした。
このミランという隊員は見た目はゴツイが話の上手い男で、トイレまで魔法のランプぐらいしか明かりの無い薄暗い廊下も明るく感じる。
「それにしても遠いな」
「この屋敷はトイレにそれほど金を掛けてないそうで。貴族用のトイレが一つしかないそ
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