アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの死闘を 01
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The Gleameyes。 青い目の悪魔。
ゴツゴツと隆起した筋肉を覆う肌は瞳と同色の青。 人型の身体に山羊の頭を持ち、下半身を長い毛に覆われたその異形を端的に言うのなら『悪魔』の一言に尽きるだろう。
今まで大小様々なモンスターを殺し尽くしてきた僕たちだけど、ここまで分かりやすい悪魔型のモンスターは初めてだ。
未知のモンスターに遭遇した緊張と、それを遥かに上回る狂喜とが全身を駆け巡るのが分かった。 表情はどれだけ抑えようとしても笑顔を浮かべ、雪丸を握る手に一層の力が篭る。 見るまでもないし聞くまでもないけど、それはアマリも同様だろう。
「ゴァァァアアアアア??」
青白い炎を呼気と共に吐き出しながら、グリームアイズは高らかに咆哮。 直後、その右手で妖しく煌めく大振りの剣を振り上げ、こちらへの突進を始める。
「うわあああああ!」
「きゃあああああ!」
同時に響いたのはキリトとアスナさんの絶叫。
見る間もなくUターンした2人は僕たちの存在を忘れたのか、絶叫の勢いそのままにボス部屋から走り去った。
いっそ尊敬したくなるほどの遁走ぶりに苦笑いを浮かべつつ、そこである程度の理性を取り戻した僕は、グリームアイズを迎え討たんと身構えるアマリの頭を軽く叩いた。
「……なにするですか?」
「とりあえず戻るよ。 あの2人を放置して戦うと後が怖い」
「そこに敵がいるですよ? ぶっ殺さないなんてあり得ないです」
「……分かった。 ただし、ぶっ殺すのはまた後でね。 今は偵察だけだよ?」
「あっは、了解ですよー」
退くつもりのないアマリに譲歩するのは僕のいつもの癖だ。 甘いと言うことくらい分かっているけどやめられない。
さすがのアマリも2人だけで殺すことが難しいことは分かっているので、どれだけテンションが上がっていようとも撤退のタイミングを見誤りはしないだろう。
「とりあえずは攻撃パターンの割り出しが最優先。 攻撃は後回しで回避と防御に専念。 それから僕が合図したら撤退すること。 いいね?」
「もっちろんオッケーですよ!」
「元気が良すぎて不安だけど……いくよ」
「あっはぁ、やるですよぉ!」
ボス部屋からほど近い安全地帯に、2組の男女がいた。
1組は僕とアマリ。 そしてもう1組はキリトとアスナさん。
4人で迷宮区に足を運んでいたので当然の組み合わせだけど、今の状況はちょっと特殊だった。
「いやまあ、別にいいんだよ。 あの手のモンスターは初めてだし、びっくりして逃げたくなる気持ちは全然理解できないけど、仕方ないだろうって納得はできるしさ。 でも、一応パーティーメンバーの僕たちに何も言わないで逃げるっていうのはどうなの
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