Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 14. The dianthus and the deathberry
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脳内から打ち捨て、代わりに何でもない話題を切り出した。
「……そう言えば、一護ってどんなチョコが好き?」
「あ? ……まあ、特にコレってのはねえな。チョコなら全般的に好きだ。何だよ、バレンタインの話か」
「うん。きっちり百倍返しを狙うからには、ちゃんと一護の好みに合ったのをあげようかなって思って」
「前半の文章がなけりゃ、素直に礼が言えたんだけどな。面と向かって百倍返せなんて言うんじゃねえよ、この強欲女」
「そこはむしろ『百倍でいいのか? 俺は千倍でも万倍でも一向に構わねえぜ?』って言える器の大きさを見せるトコでしょ、この甲斐性無し男」
「テメエ、俺がンなことをうっかり口にしようもんなら、確実に骨の髄までしゃぶりつくす勢いでタカるだろ。魂胆が見え見えなんだよ」
「ちっ、ノリの悪い」
「うるせ」
両足を投げ出してふんぞり返る一護と、ブランケットをひっ被って膝を抱える私。
二人で益体もない会話をしながらすごす冬の午後は、立ち上るココアの湯気のように、穏やかにゆっくりと過ぎていった。
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