Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 14. The dianthus and the deathberry
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!!」
「アンタたちにだけ、恰好ええ面はさせへんでえ!!」
その横に、後ろに、次々とメンバーが集う。連携はどうしたとか、集まるなよ鬱陶しいとか、そういう文句が頭を過る。
けど、今は、今だけは、このままでいいんだ。
俺は征く。みんなと力を結集させてアイツを倒す。虚をほっぽって帰りやがった、アホで能天気な死神の代わりに。
「――黒崎一護、十八歳! 現在、死神業代行!! これより、ド阿呆が閉じ込めた悪霊を、ここにいる十四人と共にブッ倒す!!」
声を張り上げ、刀を翳す。周りの連中もそれに合わせ、各々の武器を構える。
「そんじゃあ、行くぜ!!」
「各隊総員展開!! 状況に柔軟に対応しつつボスを討伐せよ!!」
変貌を終え、今まさにこっちに飛びかかろうとしていたアヨン目掛け、俺たちは一斉に駆けだした。
俺の見間違いじゃなけりゃあ、その時、みんなの顔には笑顔が浮かんでいた。
◆
〈Lina〉
あれから二日が経った。
死にかけながらも、変貌した19層フロアボス『The Deadsoul』改め『The Chimera』をなんとか討伐し、私たちは無事に20層に辿り着いていた。
あの後、夜を徹して行われた宴会の乱痴気騒ぎは、もう二度と経験できないだろうというくらいの盛り上がりっぷりだった。全員が命を賭し、そして誰も死なずに打ち勝った。その事実が私たちの心を大いに感動させ、感情を爆発させたのだろう。思い出すと、よくあれだけのテンションを最後まで維持できたものだと、ちょっと呆れてしまう。まあ、私はいつも通りに自分の生理的欲求に忠実に食事をしていただけだったけど。
「……ンな薄着で、なにボケッとしてんだオメーは。風邪引くぞ」
そんな声と共に、私専用の特大マグカップが差し出される。お礼を言って受け取ってから、私の隣に座ってココアを啜る一護を見た。
今日はボスとの戦闘の疲れが抜けないということでオフになっていて、そのため彼の服はかなりラフだ。黒いシャツに同色のカーディガンを羽織り、ボトムスは細身のズボン。足元に至っては靴下にサンダルだ。本人曰く、「ブーツだと足が締め付けられてかったりぃんだよ」とのこと。オッサンくさいという私の指摘はスルーされたが。
そういう私も、今日は武装など一切していない。薄手の白ニットに紺のスカートとストッキング。足元はスニーカーを履いていたが、今は脱ぎ捨ててソファーの上で体育座りのような恰好をしている。以前この座り方をしていたら、一護に「見えるぞ」と言われたが、「見たいの?」と返したら黙ってしまい、それ以来こうしていると、一護はこっちを見なくなった。見かけよらず、そういう方面の免疫がないのかもしれない。
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