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Deathberry and Deathgame
Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 14. The dianthus and the deathberry
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教わった、戦うためのコツ。
 分かっていたつもりだった。戦うために必要な、揺らぐことのない『覚悟』。鉄より強い、堅固な意志。

 まさか、リーナにあの人と同じようなことを言われるとは、思わなかった。

「……チェッ。わかったような口ききやがって……」

 形ばかりの悪態を吐きながら、俺は刀を持ち上げる。刀身に映る俺の顔は、この上なく不機嫌そうで、けれど確かに揺らいだ、みっともないモンだった。自分で見てても笑けてきちまう。いつまで経っても変わらない、魂の底の、俺の無力。本当に、どうしようもねえ甘ったれだ、俺は。

 だから、

「……セイッ!!」

 俺は自分の頭を、刀の柄で思いっきりシバいた。ゴンッという鈍い音と強い衝撃が脳をブチ抜き、眩暈で倒れそうになるのを何とか堪える。

 何とか踏みとどまり、一息吐いて、もう一度刀身に自分を映す。
 そこにいたのは、しかめっ面をした、目つきの悪い俺。飽きる程に見てきた、いつもの『黒崎一護』だ。

 多分、俺は今まで、心のどっかで不貞腐れていたんだ。この世界に入って、死神の力が使えなくなって、その理不尽な喪失に、無意識にしがみ付いてきた。
 それなのに、目の前に死神や虚が現れて、記憶通りの力を振るって来て、なんで俺にはその力がねえんだって、心の底で思っちまったんだ。でも俺は、そのみみっちい未練を茅場への怒りにすり替えちまった。自分の底をまるで見ようとしなかった。その結果がこの様だ。情けねえ。本当に、情けねえ。
 けど、今はもうそんなことには拘らない。斬月がなくたって、死覇装が着れなくたって、俺の魂はいつだって「死神」なんだ。今はそれで、それだけで十分じゃねえか。

 もう動揺はない。刀を鋭く一閃し、足に意識をこめてしっかりと踏ん張る。
 
「……おし、行くか」
「うん」
「……リーナ」
「うん?」
「さんきゅ」
「……うん」

 短いやりとりの後、リーナは俺の前から退き、右横に立った。気のせいかもしれないが、その足取りは随分と軽い。
 と、それと反対側、俺の左にも人影が立った。真っ白なリーナと対照的な真っ黒い影。

「それじゃ、俺も行くかな」
「キリト」
「ま、俺も腑抜けた面してたし、ここは自分への罰として特攻に志願するよ」
「……そうかよ。んじゃ、せいぜい玉砕しねえようにするこった」
「当たり前だ。なにせ、俺とお前には『死神』の加護があるんだからな」
「……へっ、それもそうか」

 顔を見合わせ、ニッと笑う。同時に、あいつののほほんとした笑顔が脳裏をよぎる。

「俺も参加するぜ。あのデカイ奴のドロップアイテムで、一儲けする野望があるからな」

 さらにその隣に、斧を担いだ黒い巨漢が並び立つ。

「オレも行こう!!」
「俺もだ
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