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Deathberry and Deathgame
Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 14. The dianthus and the deathberry
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身を沈めた――その時、目の前に短剣(・・)が飛んできた。慌てて刀を振り、顔面にぶっ刺さる寸前で弾く。

「アッブねえな! いきなり何しやが――」

 突然の暴挙に文句を言おうとした俺だったが、そこにいた奴の目を見て、その言葉を飲み込んだ。

 そこには、鬼のような形相をしたリーナが立っていた。
 その表情はあまりに険しく、かつて二層の噴水の前で見せた怒りの表情よりも、何倍も、いや何十倍もの怒気に満ちている。自分も同じようにキレていたはずだったのに、その険しく歪んだ端正な顔を見た瞬間、俺は怒りが急速に退いていくのを感じた。

「いい加減にして」

 低く、澄んだ声が響いた。そのあまりの鋭さに、他の面子のざわめきも消える。

「一護がアイツの何を知っているのか、何にそんなに動揺してるのか、そんなことは知らないし、どうでもいい。
 けど、今の貴方の、その怒っているように見せかけた、揺らぎまくりの姿だけはどうしても許せない。アイツが何者でどれほど強かろうと、貴方が何者で何を知っていようと、今するべきことは、衝動に身を任せた特攻と言う名の自殺じゃない。そうでしょ?」

 リーナの持つ短剣が、砕け散りそうに軋みを上げ、小刻みにカタカタと震える。見れば分かる程に、その細い肩に力が入っている。

「貴方は生きなきゃいけないの。例えなにがあろうとも、生きて、勝って、この世界から出て、私と一緒に茅場をブン殴らなきゃいけないの。あの夜、二層の小さな噴水の前で、私とそう約束したはず。こんなところで、激情に駆られて、あんな気持ち悪い生物と相討ちにでもなられたら困る。貴方も、私も、ここで死ぬわけにはいかないの。
 ――しっかりしなさい、一護!!
 今! 貴方の剣に宿るべきなのは、そんな感情(もの)じゃないはずだ!!」

 ――キミの剣には、"恐怖"しか映っちゃいない。

「必要なのは『怒り』でも『迷い』でも、ましてや『恐怖』でもない!!」

 ――戦いに必要なのは"恐怖"じゃない。

「寸分の狂いもなく攻撃を躱し!」

 ――躱すのなら"斬らせない"

「ここにいる仲間を護り!」

 ――誰か守るなら"死なせない"

「立ちふさがる敵を斬り捨てる!」

 ――攻撃するなら"斬る"

「どれだけ状況が絶望的でも、どれだけ相手が恐ろしくても、貴方が剣士であるのなら、他の些末事なんてどうでもいい!!
 迷わないで、一護!! 例え相手が誰であっても、必要なのはただ一つ!!」

 ――ほら、見えませんか。アタシの剣に映った――

「絶対に生きて勝利する、戦うための『覚悟』だけ!! 私の知る誰よりも強い貴方には、それが出来るはずでしょ!!」

 ――"キミを斬る"という"覚悟"が。

 かつて俺が
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