Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 14. The dianthus and the deathberry
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「ブラボー隊、スイッチ! チャーリー隊、アルファ隊の後退を援護!!」
「解放隊しっかりせえや! 追い打ちの薙ぎ払いが来るでえ!!」
「エギル、ボスの足を払ってくれ。体勢を崩して一気に畳みかける」
「よぉし、任せろ!!」
戦闘開始から十六分が経過、トゲ頭の主導で撤退するアルファ隊とエギルを先頭に突っ込むブラボー隊が交錯した。HPバーが残り一段を割り込み、新しく追加された長い舌での刺突が虚閃っぽいレーザーの一閃の後に繰り出される。
エギルがガードする前に俺が飛び出し、《浮舟》でカチ上げて軌道を逸らす。ゴムのように伸縮するクセに金属並の強度を持つ薄ピンクの鞭を『宵刈』の切っ先が捉え、火花を散らしてふっ飛ばす。
「ナイスだぜ一護! 食らいやがれえええっ!!」
大虚……もとい『The Deadsoul』にも劣らない野太い咆哮と共に繰り出されたエギルの単発重攻撃『グリズリー』が、ブーツのように尖がった足を真っ向から弾き飛ばした。その横をスイッチを叫びながらキリトが疾駆、宙に浮いたままの足の背後に回り込んで、ソードスキルを発動する。隙の少ない薙ぎ払い二連撃《スネークバイト》がアキレス腱――大虚にそんなものが備わってるのかは知らねえが――の辺りを斬り刻んだ。
それと同時に俺は逆脚の近くに待機、同時に刀を上段に構えて溜めを作る。刃を覆う蒼い光は見る見るうちに強くなり、まるで青白い炎が燃えているようにも見える。
「一護、いいぞ!!」
「おう!!」
キリトが後退すると同時に声を上げ、それを受けた俺は踏込と同時に刀を全力で一閃、ボスの足首をへし折らんばかりの強打を撃ち込んだ。
カタナスキルの熟練度が上がったことで追加された『溜め斬り』は、ソードスキルの発動体勢を取りつつモーションの開始を自制することで使える。最大三秒間のチャージ時間と引き換えにスキルの威力を大幅に上昇させることができ、集団戦でその隙をカバーできさえすれば、強力な火力源になり得る。ボスのHPバーがグリッと減ったのが、見なくても手ごたえで感じ取れた。
「スイッチ」
冷静な声が聞こえ、技後硬直の解けた俺はその場から飛び退く。入れ違いで突撃したリーナの飛び膝蹴りがボスの踝に命中、俺の一撃で揺らいでいた軸足がズルッと動く。さらにリーナは空中で三連撃《クイックビンゴ》を発動、同じ部位目掛けて連続の刺突を叩き込む。追い打ちとばかりに着地の直前《水月》をブチ当て、しかし更なる追撃はせずに蹴りの反動で足元から逃れた。
なぜなら、
「ボスが倒れるぞ、全隊突撃!!」
HPバーがレッドゾーンへと突入しそうな勢いで減っていくボスの巨体がぐらりと傾き、前のめりに倒れてきたからだ。ディアベルの号令で、下がっていた二小隊の連中がなだれ込むようにして突撃
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ