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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第49話 砂漠緑化!? そして置いて行かれる私
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来た第3射を、更に消費精神力を増やす事で防ぎますが、その時点で残りの精神力が半分を切ってしまいました。

 ……このままでは次は耐えられても、その次は耐えられない。

 そう判断した私は、賭けに出る事にしました。

「バカの一つ覚えですか? 効果が無いのも分からないとは、程度が低い賊ですね」

 私が声高に叫ぶと同時に、4射目が飛んで来ました。

「しかしこんな所に賊が出るなんて、エルフの国も大した事ありませんね!!」

 それを何とか防ぐと5射目は来ず、その代わり砂丘の向こう側がにわかに騒がしくなります。僅かに聞こえる言葉を拾うと「蛮人が!!」とか「賊だと!! 愚弄しおって」等の言葉がありました。どうやら相当お怒りの様です。

 暫く待つと4人のエルフが、砂丘を超えてこちら側に来ました。その顔は怒りで醜く歪んでいます。

「エルフにも賊に身を落とす者がいるのですね」

 私が皮肉たっぷりに言うと、4人の手が剣にかかりました。そして口々に……

「蛮人ごときが無礼な!!」「我等“鉄血団結党”に向かって!!」

「賊は貴様の方だろう!!」「そうだ!!」

 と、こちらを非難して来ます。そしてその罵倒に乗る形で、隊長らしきエルフが口を開きました。

「蛮人!! 我等が荷台の荷物に気付かないと思ったか!!」

 一瞬何を言っているか分かりませんでしたが、直ぐに思い当たるモノに行きつきました。エルフなら精霊の力は感じ取れるはずです。そして荷台に5柱もの精霊(大精霊の分霊)達が居るとなれば、畏怖すら感じても不思議ではありません。それを精霊縁の強力なマジックアイテムと勘違いしたのでしょう。

 そして、そんなものを蛮人が持っているはずが無い=盗んだに違いない→ならば殺してしまえ。

 ……短絡的すぎます。エルフは理知的だと聞いていたのですが、その評価を見直す必要があるみたいですね。

 そんな事を考えながら、私は荷台から木の精霊が入った瓶を取り出し膝の上に置きました。

「なっ!! 蛮人ごときが精霊を捕えただと!!」

 瓶の中に入れられている以上、そう見えても仕方がありませんが、今の一言はよろしくありません。何となくですが木の精霊が不機嫌になったのが分かりました。精霊達は例外なくプライドが高いですから、エルフ達に侮られたと感じたのでしょう。まあ、このまま誤解させておいても良い事は無いので、木の精霊を取り出し瓶を荷台に戻すと、肩の上に木の精霊を乗せました。

「バカな!!」「如何言う事だ!!」「捕えられていたのではないのか?」

 はい。思惑どおりに混乱してくれました。私はそのまま御者席から降ります。

「私の名は、ギルバート・ド・ドリュアス。精霊と懇意にしているドリュアス家の者だ。
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