第10話 過去と現在の違い
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
らせていないんだ。まだ目を覚まして日が浅い彼女に伝えても混乱させるだけかもしれないし……とにかく頃合いを見て話してみるよ」
それだけ言うとエックスは人型から球体のような状態に戻り、姿を消した。
「……母…か……」
“君は今のネオ・アルカディアに何の疑問も抱いてないの?同じレプリロイドを、レジスタンスを倒すことが本当に人間のためになると思ってるの?正義だと思ってるの?”
「…正義…俺は……」
脳裏を過ぎるルインの言葉によってハルピュイアの心には二つの正義が揺れ動いている。
コピーエックスの人間優位の正義を信じようとする気持ちとエックスが統治者だった頃の人間とレプリロイドの平等な共存を模索しようとする気持ち。
悩むハルピュイアだが、自分は統治者代行としてやらねばならないことが山積みだ。
ハルピュイアは悩みながらも一度ネオ・アルカディア本部へと帰還するのであった。
一方、ネオ・アルカディアの居住区からレジスタンスベースに戻ったルイン達は、一緒に食事を摂るようになった。
ルインとゼロは食物のエネルギー分解効率がいいらしく、エネルゲン水晶よりもこちらを好んだ。
「シエルお姉ちゃん、ゼロとルインお姉ちゃんと一緒に食べるようになってから嬉しそうだね」
「ああ、今まで一人で食べていたからな。今では一緒に食事が出来るから嬉しいんだろう」
「むっ?何だ、この緑の奴は?変な味がするが?」
「あ?それピーマンだよ。」
ゼロが変な味と言った物は炒め物に入れたピーマンであった。
「ピーマンって、独特の苦味とかがあるから嫌いな人が多いのよね」
「シエルは食べられるのか?」
「…あまり好きじゃないかも……」
仲良く食事を摂るゼロ達を見て、コルボーが一言。
「何というか……ゼロさんやルインさんの時代は本当に人間とレプリロイドが共存してたんですね。時々ゼロさん達がレプリロイドなんだと忘れてしまう時が……」
「晩御飯は野菜をたっぷり入れたシチューにしようか?」
「あ、じゃあ…私も手伝うわ」
「うん、ゼロ。食材を切るのお願い」
「…了解」
食事をすることもあり、一緒にいることが普段よりも格段に増えたゼロとシエルだが、そのことに嫉妬している人物がレジスタンスベースにいた。
その人物は自室にて机に顔を埋めていた。
「シエルさん…あなたはやっぱりゼロがいいんですか…。あんなムッツリ男のどこがいいんですか…っ」
それはレジスタンスの司令官エルピスであり、こっそり撮ったゼロの写真に拳を叩きつける。
「でも、私は負けません。いつかゼロを出し抜いて、必ずあなたを振り向かせてみせます。ゼロ…正義の一撃作戦が成功するまでは精々シエルさんと仲良く
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ