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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十話 第五次イゼルローン要塞攻防戦
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も起きているだろう。

「これからどうするんだ、エーリッヒ」
「戦闘の状況を兵站統括部に報告するよ。それから補給状況を確認する。戦闘で大分物資を消費したからな。もう一度最初からやり直しだ。一週間ぐらいかかるだろう」
「一緒に飯を食う時間はあるな」
「ああ」
「ん、あれはミューゼル少佐だな。こっちを見ている」

 俺はミュラーの視線を追った。確かに金髪と赤毛の少年がいる。俺とミュラーは敬礼をした。向こうもこちらに礼を返してくる。敬礼の交換が終わると二人は去っていった。
「16歳で少佐か。いや今回も武勲を上げている。中佐だな」
羨む様な響きがある。ちょっと気になった。

「ナイトハルト、卿はグリューネワルト伯爵夫人のおかげだと思うかい?」
「いや、そんな事は反乱軍にとって関係ないな」
「安心したよ、卿がまともで。そろそろ行こうか、此処にいても仕方が無い」
「ああ」

■ラインハルト・フォン・ミューゼル

「あれがヴァレンシュタイン中尉か、キルヒアイス」
「はい。ラインハルト様」
「反乱軍の並行追撃作戦を見抜いて上層部に進言したと聞いたが」
「クライスト大将閣下もヴァルテンベルク大将閣下もまともに取り合わなかったようです」
「馬鹿な話だ。挙句の果てに味方殺しか。どうしようもない愚劣さだな」
「ラインハルト様、それ以上は」
「判っている、キルヒアイス。それにしてもヴァレンシュタイン中尉か、出来る男がいるな」

■エーリッヒ・ヴァレンシュタイン

 結局俺がオーディンへ戻るべくイゼルローンを出発したのは戦闘終結から2週間後だった。オーディンから補給物資の確認だけでなく要塞防壁の破損状況、修理状況、戦闘詳報を報告しろとの命令が来たからだった。ま、当然と言えば当然だろう。ミュラーにもオーディンへ帰還命令が出ていた。人事局への出頭命令だ、おそらくフェザーン駐在武官への辞令だろう。俺たちは一緒にオーディンへ向かった。

 オーディンへ戻り兵站統括部第三局第一課へ行くと第一課長、アルバート・フォン・ディーケン少将からイゼルローンの状況を報告させられた。戦闘詳報そのものはイゼルローンから超光速通信で送っている。念のためといった所だろう。報告が終わると少将は俺にも人事局から出頭命令が出ている、直ぐ行くようにと言った。妙な雰囲気だ、少将は俺から目をそらしている。なんだ一体。

「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン中尉です。人事局より出頭命令を受けました」
人事局の受付でそう告げると、軍服よりも私服が見たいと思わせる可愛らしい感じの受付嬢が答えた。
「ヴァレンシュタイン中尉ですね。人事局長ハウプト中将閣下がお会いになります。局長室は三階の奥に有ります」
「人事局長ですか?」
「はい、そうです」 

妙な話だ。たか
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