暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第213話 広がる輪
[11/11]
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
言う事を。
彼女の言葉は、周りを暖かくしてくれる。周りに笑顔をたくさん作ってくれる。心を落ち着かせてくれる。それは、初めてあった時もそうだった。
だからこそ、よく判ると言うモノだった。
――隼人が、好きになった理由が。
「ははははっ」
「ちょ、ちょっとー! りゅーきくんも笑い過ぎだよっ! もうっ」
詩乃が、横目で見てみると 本当に楽しそうに隼人と話をしている。詩乃自身も隼人の事が好き。……だけど、2人のやり取りを見ていたら、嫉妬の類より、その何倍も笑顔に、心、穏やかにさせてくれるのだ。
『私は、第二ラウンド、するんだけどねーっ!』
その言葉は、以前リズに訊いた事だ。隼人に関しての心の機微をあっさりと見抜かれてしまって、以前に話をした時に リズにも似た様な事があった、と言う事を訊いた。それは、シリカだって同じとの事だ。
――これが、普通なのかな。やっぱり……。確かに少し苦しい時もあるけど、それ以上に……。
例え恋が実らなかったとしても、傍にいる事は出来るだろう。……本当に大切な友達として。親友として。
――……《朝田 詩乃》 としてではなく、あのGGOの世界で勇猛に戦っている《シノン》であれば、どう言うだろうか。
自分自身の事だが、中々答えが出てこなかった。だけど、これだけは判る。
『シノンだったら、前に進み続ける』と。
そんな時だった。
「まぁ、詩乃が言いたい事はよく判るよ」
「……っ!?」
色々と考えていた時に突然、話を振られてしまったから、少し驚いたのだ。
「はは。玲奈が可愛い、って事が」
「も、もうっっ!! りゅーきくんっっ!!」
にこっと笑って言う隼人と、顔を真っ赤にさせて怒る玲奈。
少しきょとん、とした詩乃だったが、直ぐに笑顔に戻った。
「でも、それ ちょっと惚気に聞こえるかな? 隼人が言うと……さ?」
「っ……、そ、それは……」
「あぅ……///」
――いつまでも、変わらない。ずっと、友達でいて欲しい。
そんな人達が、出来るなんて ほんの数週間前までは考えられなかった。だからこそ、強く思う。
詩乃は、そっと 隼人の左手の上に、自分の右手を添えた。
少し、照れくさかったけれど、しっかりと隼人の顔を、目を見て笑顔で声に出さない様に、詩乃は思いの丈を隼人へと向けたのだった。
――私の手を、握ってくれて。……たくさんの輪を紡いでくれて、……ありがとう。
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ