表裏
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ていた。どうも年が過ぎるのが早く感じる……なのはちゃんとテスタロッサ姉妹の“テストとか出席日数やべぇ事件”とか、そこから派生した“平均点以下は椅子ロケット事件”とか、足が完治した事で石田先生に向けて“お世話になりました会”とか、管理局所属の人間全員に“SOPナノマシン注入”とか、色々忙しかった事で今年は時間をあまり考えてこなかったからかもしれない。
それはともかく、かねてより私は聖王教会にユニゾンデバイスの製作を依頼していて、そしてこの日……とうとう八神リインフォース・ネロ・アインスの後継機である八神リインフォース・ツヴァイが完成したとの連絡が入った。ちなみにリインフォースに付け足されたアインスという名前はツヴァイと区別を付けるためで、ネロの部分はミドルネーム扱いという事になるらしい。そのため皆はこれから姉の方をリインフォースかアインス、妹の方をリインかツヴァイと呼ぶように決めている。
よってアインスをネロと呼べるのは……っと、到着したみたいやな。
「はやて、お待ちかねの末っ子との初対面だよ」
カリムの義弟であるヴェロッサ・アコースに案内され、私とアインスはカリムの執務室へ入った。そこで私達は初めて末っ子のツヴァイとの対面を果たしたのだが……、
「あむ、あむ♪ このカステラ、美味しいですぅ〜♪」
「ふふっ、まだたくさんあるから好きなだけ食べてね」
「わぁーい! ありがとです〜!」
末っ子がカリムに餌付けされてた。ぱくぱく食べるツヴァイを微笑ましく見ているカリムやけど、ちょっと物申したい気持ちが湧き上がってきた。
「こらこらこら!? 会うのを楽しみにしていた家族へ見せる態度がそれかいな!?」
「だ、駄目だよツヴァイ……ちゃんと挨拶してくれないと、姉として寂しいよ……」
「はわっ!? アインスお姉ちゃんを泣かす奴は許さないです! さあ、誰がやったか早く白状するです!」
「あんたや、あんた」
「はうっ、そうでした!? ご、ごめんなさいです……」
「よし、許したる」
ちゃんと謝る姿勢を取ったツヴァイを、私はすぐ許した。まあ、これから家族として一緒に暮らす相手と不仲になりとうないし、歩み寄る姿勢は大事やからね。
「改めまして、リインフォース・ツヴァイです! これからよろしくお願いします!」
「よろしく。これから仲良くやっていこうな、ツヴァイ」
「大丈夫、皆優しいから困った事があったらすぐに言ってね」
「はいです!」
こんな感じで末っ子を八神家に正式に迎え入れたのは良いんやけど、正直な所、少し疑問があったりする。簡単に言えば……完成が想定より一年早く終わってる点とか、ユニゾンデバイスの機能をアインスの知識頼りで復活させるにしては流石に早過ぎる点とか……
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