表裏
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、それは聞き入れられないな。さっき言ったでしょ? 質問や疑問、要望は後で受け付けるって」
「だ、だけどよ……体内にある自爆魔法なんてどうしようも無いじゃんか……!」
「どうしようもあるんだよ、残念ながら。ま、私に任せなさい」
ならもう好きにしてくれ、と言わんばかりに半ば諦めモードのアギトに、私はレックスの収納スペースに入れてある麻酔銃の弾丸から必要量の麻酔を取り出して注射する。融合騎に麻酔の効果があるのか知らないが、実はそこまで大事という訳ではないし、これからの手術ではあくまで無いよりマシ程度の扱いだ。
「ちょっとくすぐったいけど……何、痛みは一瞬だ」
そして私は意を決して、アギトの体内に魔力だけで構築した手を突っ込む。サバタ様の暗黒転移とシャマルの旅の扉、ユーリのスピリットフレアを参考にしたこれなら開腹手術を行う必要が無いため、患者の負担を限りなく減らす事が出来る。流石に実物の爆弾を埋め込まれていたらもっと慎重になる必要があるが、デバイス用の自爆魔法ならこれで十分処理が可能だ。
「ふ……ぐ……!? あ……!」
「よし……取り出すよ? せーのっ!」
自爆魔法の術式をまるで豆腐を崩さずに水揚げするみたいに魔力の腕で掴んだら、爆発する前にすかさず抜き取って彼方へと放り投げる。刹那、投げた方からグレネード5発分に匹敵する爆発が発生した。爆風に襲われない様にプロテクションを張っておいたおかげで、手術を終えた私と自爆魔法を抜き取られたアギトには何の影響もでなかった。
「ふぅ……終わったよ。アギト、君はこれで自由の身だ」
「そっか……案外早かったな。でも………は……はは……! ぐすっ……! アタシ、自由に……なれたんだ……!」
本当の意味で自由を手にしたアギトは、あまりの嬉しさで涙をこぼした。かつてSEEDを宿していた私をサバタ様達が救ってくれたように、似た境遇の彼女を今度は私が救えた……。シャマルがこれを見ていたら、救われた者が今度は誰かを救うってとても素敵な事だと言ってきそうだ。……別に悪くない気持ちだけどさ。
「ありがとう……! マキナの姉御、本当にありがとう!」
「はいはい、手術代は特別にサービスしとくよ。それじゃあちょっと待ってて、仲間と通信したいから」
アギトが頷いて承諾した事で、私は周波数140.15へ通信を開始する。
『こちらアウターヘブン所属次元航行艦エルザ、シュテルです』
「こちらマキナ、ミッションクリア。手に入れたデータは後でそっちに送信する」
『了解です。……データだけでなく融合騎も回収するとは、どうやら期待以上の成果を為したようですね』
「別にいいじゃん。私自身、アギトの境遇は他人事に思えなかったし……」
『同感です。ところで一度マ
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