Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 12. Don't judge by appearance (4)
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
た。
「ご飯は一人で食べるより、二人で食べた方が美味しい。私は私の素晴らしく美味しいディナーのために一護を待ってた。ただそれだけ」
……なんか、すっごいわかりやすい台詞が返ってきたな、オイ。
まあ、含んだ意味はともあれ、待たせたことに変わりはねえか。そう思い、腰掛けていたソファーから立ち上がった俺は、リーナの方を向く。
「わりーな、待たせちまって」
「別にいい。私が勝手に待ってただけ」
「ああ、そうかよ」
「うん、そう」
いつも通りの短い単語の会話。こういうトコは出会ったことから全く変わっちゃいない。でも中身の方は、ちょっとずつ変わってきてるような気はする。食べ物と強さにしか興味のなかったコイツが、別のことにも意識を向け始めた結果、ってヤツなんだろう。実際はどうなのかは本人しか知らねえだろうけど。
「今日はお肉が食べたい気分」
「んじゃあ、また三番街のステーキ屋かよ」
「そう。今回はお肉一キロに、れっつちゃれんじ」
「……お前そんなに肉だけ食ってると、その内に肉に飽きて肉嫌いになるんじゃねえか」
「そんなヘマはしない。大量のお肉を楽しくおいしく飽きずに食べるコツなんて、もう三年前にマスターしてる。抜かりはない」
当然、とでも言いたげな表情を浮かべるリーナに感心半分呆れ半分の笑みを返しながら、俺たちは夕暮れの街へと飛び込むべく宿屋を後にした。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ