Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 12. Don't judge by appearance (4)
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中でっていう但し書きはつくけど――可能になってることがほとんど。持ってるスキルで最初から参加資格を振り分けるようなことは、狭量なプレイヤーからのクレームを避けたいゲーム開発者はやらない。それにこのSAOは、基本的に全プレイヤーに基本的にフェアな構成になってる。特定のソードスキル保持者を優遇するとは考えにくい」
「んじゃあ、今回のクエストはどう説明すんだよ。実際、カタナスキル持ち限定っぽかったぜ?」
同じデザインの、一回り小さいカップに追加のお茶を注ぎ足しながら俺がそう問うと、リーナはカップを傾ける手を止め、こっちに向かって指を二本立ててみせた。
「私が今考えつくのは、大きくわけて二つ。
一つ目は、開始条件はカタナスキルではなく別の何かだった可能性。私と一護は何度か東部の最上層に行ってるのに、一度もその女性を目撃していない。一護と最初の情報提供者の間にカタナスキル以外の共通項が存在する。あるいは、私とキリトや情報提供者のバディとの間にある相違点が鍵になっていた。このどちらかの可能性が高い。
二つ目は、訪れたプレイヤーのメインスキルに応じてメインシナリオが変化している可能性」
「はあ!? プレイヤーによって変化する!? そんなことがあり得んのかよ!」
思わず立ち上がってしまった俺を見ても、その発言者は落ち着き払ったままだった。
「あくまで可能性の話だし。でも、これでも一応説明はできなくはない。
カタナスキルが本当に開始条件だったのなら、今回のクエストは『カタナスキルを持ったプレイヤー』用に作られたボス部屋解放シナリオで、他のスキル持ちのプレイヤーには別のシナリオが用意されてた。それで、たまたま一番最初に見つかったのが、その『カタナスキル専用』のクエストだった、と、こんな感じだと思う。複数人いた場合の優先順位の判定とか、疑問は多いけど」
「うーん……よくわかんねえけど、でもまあ、もうクエストは終わっちまったんだ。今ここでアレコレ考えても意味ねーだろ」
「意味なくない。知識的探究の楽しさがあって……って言いたいところだけれど、今回だけは同意。とってもお腹減ったし」
「そーだな、もうすっかり夕方……って、ちょっと待て。お前、まだメシ食ってねえのかよ。先食ってろってメッセージ投げたじゃねえか」
コイツは何よりも自分の食事を優先する奴だから、メッセージなんてあろうがなかろうが、俺がメシの時間になっても帰らなけりゃ勝手に一人で済ませると思ってた。それが、午後七時まで断食を貫くとは……なんか食欲が失せる出来事でもあったのか? コイツの無尽蔵の食欲を抑制するなんて、どんだけ凄まじいインパクトが要るのやら。
とか勝手に考えていたら、腰掛けていたベッドから降り立ったリーナが、別に大した理由はない、と言っ
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