Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 11. Don't judge by appearance (3)
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なに大差ないし、それに持続時間も短くなっちゃうしね。いやはや、お恥ずかしい限りですー」
「へー、そりゃあ難儀だな。その封印は解除できないのか?」
「できないんだよねーコレが。不便極まりないよ、まったく。強引に解除するなら、印の打たれた部位を切り取っちゃえばいいんだけど――」
場所がココだからねー、と言って、マツリは外套の前をパッと開き、俺たちに見せててきた。
途端、俺たちはその場で固まらざるを得なかった。
確かに封印はあった。左胸の上部に、燐光を放つ星形の印が付いている。そこまではいい。
問題は、
「な、な、な……なんで、お前…………外套の下が全裸なんだよ!!?」
そこに在るはずの衣類の類が一切なかったってことだ。しかも上だけじゃなく、下も、全部。
ブーツの下には膝上丈のハイソックスを履いてたが、逆に何も着てないよりもヘンタイちっくになってる。アラバスターのように白く滑らかな、それでいて女らしい丸みがある、出るとこはでて引っ込むとこは引っ込んでる体つき。まさに外人の裸婦像を思わせる……ってなにガッツリ見てンだ俺は!?
もうバカとかそういうレベルの話じゃない。なんでこの真冬に外套一枚で屋外をふらふらしてんだよ! 現実でバレたらもう逮捕されてるレベルだぞ!!
頭の中でやいのやいの言いながらも開いた口が数秒間塞がらなくなってたが、何とか自力で再起動をかけ、全力で目を逸らす。ついでにボケッとしたままのキリトの頭を引っ掴んで、へし折る勢いで一緒に捻じ曲げることも忘れない。
「は、早く前閉じろ! そして服着ろ!! 今すぐ、今すぐに!!」
「え? ……ああ! ごめんごめん。そう言えばキミたちは男のコだったねー。いやー、この外套って外温遮断機能付きだから下がこれでも寒くないし、最近異性を意識しなきゃいけない状況なんて全然なかったから、すっかり忘れてたよー」
てへへ、と全く恥ずかしそうじゃない笑い声が聞こえ、そのままガサゴソと衣擦れの音がした――と思ったら、
「あ、でも、健全な男のコなら、むしろ見たいんじゃない? ほらほら、せっかくだから――」
「いいからさっさと前閉じろ! 殺すぞテメエ!!」
――拝啓、現世の化け猫へ。
幸か不幸か、いつぞやのアンタの予言は外れたぜ。ザマーミロ。
◆
「……で、ここかよ」
「ここだねー」
「………………」
「おいキリト、ボケッとすんな。オメーがメインじゃねえからって、気ぃ抜いたら死んじまうぞ」
「え、あ、ああ。おう」
「……大丈夫かよコイツ」
道中で一騒ぎあったが、俺たちは無事に目的の部屋の前に到達していた。パッと見は他の部屋とは変わらないが、中は果たしてどうなんだか。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ