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Deathberry and Deathgame
Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 11. Don't judge by appearance (3)
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苦い表情を浮かべた。

「その化け物、『銀鱗骨』っていうんだけど、すっごい堅くて全然ダメージが通らないんだ。私が何十発ド突いても蹴っ飛ばしても斬りつけても、ぜんっぜん傷がつかないの。これでも戦闘にはそこそこ自信あったのに、ホント凹むよー」
「……それ、もう武器がどうこうっていう問題じゃなくねえか。オメーの攻撃が通んねえ相手に、どうやって勝ちゃいいんだよ」

 これまで何度かマツリの戦闘を見てきたが、縦横無尽に戦場を飛び回られると鬱陶しいってトコ以外、特に気になるようなことはなかった。キリト曰く「俺たちの平均レベル相応になるよう、システムがマツリのパラメータを調節してるんだよ」とのことだった。その「俺たちの平均値に調節された」マツリが苦い表情をするようなのが相手だってンなら、俺等が行こうが誰が行こうが関係ないように思う。

「んーとね、そこはだいじょぶ。わたしの使える術に『霊格解放』っていうのがあって、刀を持ってる人に印を打ちこんで、霊格を上げることができるの。それを使えば、多分対等に戦えるハズだよ」
「霊格ってのは何だ」
「えーっと、ちょっと説明しにくいなー。簡単に言えば、魂の階級って感じ。階級が上に行くほど、その人の一挙一動には霊格による補正がかかるんだ。
 例えば、一般人とそれより一段階霊格が高い人、二人が同じ技を使っても、その威力は確実に霊格が高い方が上になるんだ。別に身体能力がアップしてるって感じじゃなくて、なんていうか、『威力の通りやすさ』が変わるって感じかな」
「なんかズルい力だな、ソレ」
「ま、フツーはみんな霊格はほとんど同じだからねー。普通に生きてる分には霊格(それ)で優劣の差が付くってことはないと思うよ」

 この術だって、本来は緊急用にって上司に渡されたものだしねー、とマツリは言った。言葉の語感からして、てっきり霊圧みたいなモンだと思ってたんだが、どうも少し違うみたいだ。まあ「高い方が勝つ」ってのは変わんねえか。

「……なあマツリ。今の説明でちょっと気になったことが一つあるんだけど、訊いていいかな?」
「ほいほい、なんでしょーか」
「その『霊格解放』って術、自分にかけることは出来なかったのか? 今は無理だから一護に頼るのは分かるけど、その化け物に遭遇した時に自分で自分に術をかければ、その場で倒すことができたんじゃないか?」
「ぅわー、やっぱりそこ気になっちゃうよねー、うーん……」

 キリトからの再度の質問に、今度は迷うような表情を作ったマツリ。そのまま少し悩んでいたが、やがて、仕方ないかー、とつぶやくと、

「一応、かけようと思えばかけられるんだけど、術の効果が八割くらい落ちちゃうの。私にかかっちゃってる別の封印が、術の出力を下げちゃってるんだ。上昇割合が五分の一じゃ、術をかける前とそん
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