Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 9. Don't judge by appearance
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に、現在この19層のフロアボスの部屋はまだ発見されていない。東部はとっくの昔に俺たちがマッピングを終え、残る西部ももう九割近くが踏破されているのに、だ。何か見落としがあるか、あるいはカギになるクエストやアイテムがあるんじゃねえかって攻略組の間では噂されていて、完全踏破を目指す一方でいろんな検証が行われてるって話だった。ウチのリーナも戦闘の合間に『索敵』や『開錠』を使ってアレコレ試してはいたが、どれも不発に終わっていた。
キリトが言ってるのは、今回目撃されたNPCこそがこのフロアボスの部屋を見つける手がかりになるんじゃ、ってことだ。
「……確かに、可能性はたけーな」
「だろ? そういうわけで、お前を尾行してきたってワケだ。もしクエストが開始された場合、報酬が出たら均等割り、ドロップアイテムは獲った者勝ち。この条件で、俺と臨時で組まないか?」
「さらっと尾行けてきたとか言いやがって。最初っからそういう風に誘えってンだよ、このストーカー野郎……まあ、武器慣らしのついでだ。仕方ねえな」
それじゃよろしくな、とキリトが頷き、そのまま俺の前に出て歩き始める。ソロで活動している以上、『索敵』スキルを持ってるってのは前に聞いていた。今回はそれを活かして警戒役をするつもりなんだろう。なら、俺はいつも通りにヘイト集めと盾役だな。組んでる奴が腹ペコ体術士から真っ黒剣士に変わっただけだ。やることは変わらない。
予想外の臨時パーティーメンバーの背中を見ながら、俺は遺跡の奥へと進んでいった。
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