暁 〜小説投稿サイト〜
Deathberry and Deathgame
Chapter 2. 『想う力は鉄より強い』
Episode 9. Don't judge by appearance
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「ヘー、そりゃタイヘンだったナ。攻撃特化(パワーシフト)キラーモンスター入りのトラップルーム、カ。そんな物騒なトコに特攻しといテ、よくもマア無事に帰ってこれたナ、ベリっち」

 ヘルネペントなんちゃらとかいう蔦の怪物を斬った翌日、俺はアルゴと一緒に食事を摂っていた。今が昼食時の時間帯なことや、絵具で塗りつぶしたような青空というすこぶる良好な天気も手伝い、メシ屋の並ぶここ三番街はかなりの混雑を見せていた。俺たちが座っているカフェのテラス席も、すでに多くのプレイヤーで埋め尽くされている。

「無事なモンかよ。アイツに一発ド突かれたせいで、クソ高い篭手が片方お釈迦になってんだ」
「リッちゃんを護って、ダロ? ご立派じゃねーカ。名誉の負傷ってヤツダ。
 ア、何ならマタ記事にしてやろっカ? 『危機一髪!? 最前線に現れた暴虐の植物! あの死に損ない共が死にかけた激闘の一部始終を――」
「フザけんな。やったらマジでフレンド解除するぞ」
「いいネタだと思うんだけどナー」

 微塵も悪びれる様子を見せず、アルゴは目の前のカルボナーラを口に運ぶ。好物なのか、やたら美味そうに食べてるのは大いに結構なんだが、この後に頼んでた『スイーツ五品盛り合わせ』を食えるだけの胃の容量は空けといてほしい。コイツも食う量は多い方だがリーナほどデタラメな量は食えない。余ったデザートを押し付けられて、昼間っから過食するような羽目になるのは勘弁してもらいたい。それでなくても、ここ最近リーナに付き合って食い倒れることが多いんだ。たまには平和な食事がしたい。

「ところデ、今日はリッちゃんお休みなんだナ」
「ああ。食べ疲れが抜けねえとか言って、二度寝しやがった」
「コンナにいい天気なのニ、勿体ナイ」
「天気が良いからって、別に食い物が降ってくるワケじゃねえからな。飲食が関わらない以上、アイツにとっちゃあ晴れだろうが雨だろうが、どーでもいんだろ」
「ブレねえナ、リッちゃん」

 今日もリーナは宿屋に放置だ。昨日の討伐祝い大宴会(メインディッシュだけで四軒ハシゴした)の大食いが祟ったらしく、朝飯もそこそこに「お休み」とベッドに潜り込んじまった。つくづく自堕落な私生活だが、世話を焼いて叩き起こしてもいいことなんか何もない。「牛になっても知らねえからな」とだけ言って宿を出てきたのはよかったんだが、一人で昼飯を食うのもなんかイヤだ。ってことで、新しい情報が入ってないか訊くついでに、アルゴを昼飯に誘ったってワケだ。

「マ、オレっちとしては、忘れっぽいオマエがちゃんとメシに誘ってくれただけで十分だけド。ありがとナ、ベリっち」
「へいへい」
「何ダヨ、オネーサンがニコニコ笑顔でお礼してるンだゼ? 照れの一つでも見せろヨ、可愛くネーナ」
「可愛くなくて結構、大体オメーにンな
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