暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜白の剣士〜
魔槍
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戦ってきたどの邪神よりも大きな巨人が出現した。
鉛のような青黒い肌、何ものをも跳ね返しそうな隆々とした筋肉、その猛々しい姿を見て誰もが思う、

コイツはヤバい?????と。

「ふっ、ふっ・・・アルヴヘイムの羽虫共が、ウルズに(そそのか)されてこんなところまで潜り込んだか。どうだ、いと小さき者どもよ。あの女の居所を教えれば、この部屋の黄金を持てるだけ呉れてやるぞ、ンンー?」

圧倒的存在感を放つその巨人スリュムを前に一番最初に声を発したのはクラインだった。

「へっ、武士は喰わねど高笑いってなぁ!オレ様がそんな安っぽい誘いにホイホイ乗ってたまるかよォ!!」

抜刀するクラインに続いて皆それぞれ自分の武器を手に取る。スリュムはその姿を見回すと、ふと全員の後方に居る、金褐色の瞳をしたシオンが助けた女性に目を向けた。

「ほぉ、そこにおるのはフレイヤ殿ではないか。檻から出て来たという事は、儂の花嫁となる決心が付いたのかな、ンン?」

「は、ハナヨメだぁ!?」

「そうとも。その娘は、我が嫁としてこの城に輿入れしたのよ。だが宴の前の晩に、儂の宝物庫を嗅ぎ回ろうとしたのでな。仕置きに獄へ繋いでおいたのだ。ふっ、ふっ」

『王様ってーのはみんな、嫁に欲しい女を錠で繋いどくモンなのか?世界のロイヤルウエディングのイメージがものの見事に崩れ去るな、こりゃ・・・』

シオンはいつだったかの妖精王を思い出しなが心の中でそう呟いた。
そんなことを思っていると後ろでフレイヤが叫んだ。

「誰がお前の妻になど!かくなる上は、剣士様たちと共にお前を倒し、奪われた物を取り戻すまで!」

「ぬっ、ふっ、ふっ、威勢の良いことよ。さすがは、その美貌と武勇を九界の果てまで轟かすフレイヤ殿。しかし、気高き花ほど手折る時は興深いというもの・・・小虫どもを捻り潰したあと、念入りに愛でてくれようぞ、ぬっふふふふ・・・」

周囲の女性陣が顔をしかめるなか、前に立つクラインが拳を突き出して叫んだ。

「て、手前ェ!させっかンな真似!このクライン様が、フレイヤさんには、指、1本・・・」

クラインが続けようとしたその時、彼の左肩に何者かの手が乗せられた。その手の持ち主はクラインの拳を静めるとゆっくりと前に出た。

「シュタイナー、さん?」

シリカは呼びかけるがその呼びかけに彼は静かにこう応えた。

「僕は自分で言うのも何だけど比較的に感情は穏やかな方だと自負してるつもりだよ。でもね・・・」

シュタイナーの言葉を聞いてシオンは思わず手で顔を覆った。そう、彼は今?????

「今回ばかりは我慢ならねぇな・・・!」

相当お怒りになって(キレて)いる。

「お、おい、シュタイナー?」

「やめておけ、ああなった
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