5話 前も後ろも障害物(アブスタクル)
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、アメリカにも銃刀法違反に似た法律が40年前に創られたそうだ。そのため、この工場は潰れ、工場の建物は残り、SRAがアメリカ拠点として利用した。
クロノスの依頼は最重要極秘任務。
彼はまず、廃工場の中に入る。そして、薬莢を撒き散らし、銃の悲鳴を響かせる。
銃声を聞き、3人の男が火炎瓶を持って隠れながら近づく。
「貴様らはSRAか!?」
クロノスは銃声で反響する中を的確に足音だけで敵の位置、人数を把握した。
クロノスの言葉に、男たちは答えない。銃を持っているクロノスに対し、3人のうちの1人が、クロノスに向かって火炎瓶を投げた。クロノスは火炎瓶が落ちる寸前に打ち込み、自分に触れないように遠くへ飛ばし、投げてきた男に早撃ちをする。1人の眉間を貫き、脳を抉る。
クロノスは走りだす。すると男たちは走って逃げていった。追いかけるように彼は銃を打つ。逃げている男の火炎瓶に当たり、体を炎上させた。男はわめき声を上げ、倒れる。この工場はコンクリートができている為、燃え移ることはない。
最後の敵は全力で逃げに回る。クロノスからしてみれば、逃げる敵は初めてだった。いつもは逃げる前に殺す。それ以前に、クロノスは若い。そのため、逃げると言う選択肢に至る前に、プライドが邪魔をする。今回の敵は所詮、元奴隷だった。
「あーあ。逃げられた」
本気で追えばクロノスは殺せた。しかし、彼は必要以上の殺しはしない。今回の標的はシャルラッハートに敵意を示した者。
明け方、未明。僕達3人のアパートにインターホンが鳴る。
僕はスコーピオンを取り、鞄の中に入れ、手を突っ込み、ドアの向こうを覗く。
「誰?」
チェーンを付けて扉を開くと、男が焦ったように、
「え、SRAです…」
と、小声で伝えてきた。
僕は一旦ドアを閉め、チェーンを外し、扉を開けた。
「誰だ?」
「わ、私は…」
「まあいい。入れ」
僕は中に彼を入れる。勿論、スコーピオンから手を離さずに…
「何が有った?」
「自分は第五部隊のダンタリオンです。自分達が住んでいた廃工場に、クロノスがやって来ました」
僕はスコーピオンを壁の中に仕舞う。
「クロノス。どんな男だった?」
「えっと…暗くてよく見えませんでした」
僕はコーンフレークと牛乳を出し、皿に注ぐ。
「まあ、食え」
暫く食に手をありつけていないように見えたので、僕は手軽に食べられるものを上げて、スプーンも渡す。
「あ、ありがとうございます」
彼はゆっくりフレークを食べる。
僕はマガジンに弾を込める作業を淡々と行った。彼が来たため、目が冴えてしまったので。
マガジンを4つ終わらせると、彼は空になった皿を俺に渡してきた。
「ありがとうございました」
僕はそれ
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